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2018/02/21

Yasuhiko Amano

天野記者の『オートレースNOW』Vol.8

天野記者の『オートレースNOW』Vol.8

2018年最初のG1であるスピード王決定戦は2月8日~12日、浜松オートレース場で行われ、松尾啓史(山陽26期)が優勝した。2006年スピード王決定戦以来となる2回目のG1制覇。伏兵の域をなかなか超えられかった男が鈴木圭一郎(浜松32期)、青山周平(伊勢崎31期)らを完封したのである。

最終周回のバックで、射程圏に入れた渡辺篤の内に切り込み、一気に突き抜けた。試走24をたたき出したマシンを信頼してのレース。
「エンジンは納得の状態。ドドドが解消したし、落ち着いて前を追った」
また、課題のスタートが互角に切れたのも勝因だ。
「朝練が良かったので、練習と思って切った」と、優勝への歯車はシッカリ噛み合った。

1番人気の鈴木は6着止まり。予選から準決勝戦までの4走は全て1着。投入した新品クランクが良く、エンジンは上昇カーブを描いた。完全優勝も十分可能と見られたが、調整が合わなかったようだ。「まだまだ未熟」と、完敗を認めた。
青山も7着に終わる。準決勝戦後には「動きは今節で一番いい」と、評価していたエンジンが急変してしまったのである。

開催序盤を盛り上げた荒尾聡(飯塚27期)、金子大輔(浜松29期)は準決勝戦で敗退した。
そこまで8連勝を記録していた荒尾は
「シリンダー、ピストンを新品にして乗り味が良くなった。伸びもいい」
手応えありの口ぶりだったが、準々決勝戦は2着、準決勝戦は7着。
「10連勝は1回はやってみたい」と、9連勝で準決勝戦に臨んだ金子は自信をのぞかせていたが、まさかの4着に敗れてしまう。

浜松の風と気温が選手のリズムを乱した。前日に調整が合っていても、翌日には通用しない。そんな気候が波乱を生んだ。 浜松の天気を振り返ると、ハッキリ分かる。
▼2月8日(初日) 晴れ・最高気温7.9度・西北西の風7m
▼2月9日(2日目) 晴れ・最高気温9.4度・西の風7m
▼2月10日(3日目) 曇り・最高気温13.0度・南の風2m
▼2月11日(4日目) 晴れ・最高気温10.8度・西北西の風10m
▼2月12日(最終日) 晴れ・最高気温5.6度・西の風7m
最高気温の差は最大7.4度、特に優勝戦の時間帯は冷え込んだ。連日、変わり続ける気温に「気候に合わせるのが難しい」や「気温が下がって合っていなかった」などの声が相次いだ。風に関しても同様で、3日目以外は風が強く、これも大きく影響。
「強風でエンジンの状態が分からない」と、漏らす選手は多かった。

このような激しい気候の変化が影響し、筆者の車券は大完敗(気候のせいにするなっ!)に終わった。ただ、キャバクラにガールズバーと、夜の浜松の街は皆勤賞。散財しまくってしまい、同行の大ベテランE記者に2回も多額の融資を受ける羽目になった。東京駅に帰ってきた時の所持金が僅か16円とは……。E記者と次に会うのは2月27日の日刊スポーツ制定年間三賞表彰式で、その時には返済しないといけない。

次回は川口オートの開設66周年記念グランプリレースの見どころを紹介したいと思っていますのでお楽しみに!

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