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2018/11/09

Yasuhiko Amano

天野記者の『オートレースNOW』Vol.22

天野記者の『オートレースNOW』Vol.22

元ランク1位がまばゆい輝きを取り戻した。青山周平(伊勢崎31期)が2018年10月31日~11月4日に川口オートレース場で行われたSG第50回日本選手権を初優勝。通算4回目のSG制覇で、今年のMVP受賞も完全に視野に入った。

優勝戦では混戦を切り抜けるテクニックが光った。4枠からトップスタートを決めて主導権を奪ったが、まずは丹村飛竜(山陽29期)に襲いかかられ、2周回1角で先頭を奪われた。だが、3周回1角で奪い返し、再び先頭へ。インから強襲してきた若井友和(川口25期)を巧みに凌ぎ、外から逆転を狙う早川清太郎(伊勢崎29期)を振り切った。
「本音はペースを上げて逃げたかった。でも、混戦になれば後ろがやり合うし、あれで正解かもと思った」。
ペースアップ以上に後続を抑えることを重視し、集中力を高めて走った。もちろん、エンジンは納得の状態。
「試走の前にキャブのセッティングを変えたのが良かったのかも」
整備は見事にハマった。この大会前の2節=浜松SG、山陽G2はマシンの仕上がりが一息で、上がり3秒40が切れずに優出を逃した。そこでクランクを新品に交換、初日後には新品ヘッド、2日目後には新品ケース、3日目後には新品シリンダーを投入。次々と新しいパーツに変える整備が功を奏した形となる。
「準決の音は最近ではフィーリングが一番良かった」。
エンジンの評価に関しては舌がしびれるほどの激辛ジャッジで知られる。重視するのは表情だ。童顔がほころべば状態は良く、無口になればなるほど、状態は良くない。“青山周平はコメントよりも表情を見る”が記者の定番になっている。

4期連続でランク1位の鈴木圭一郎(浜松32期)は準決3着で優出を逃した。この大会前の山陽G2若獅子杯ではスーパーハンデを課された。10m後方からのスタートはさすがに厳しく、準決は3着に終わり、悪いリズムが続いてしまった。初日前に三角フレームとプレートを交換。
「2節前の浜松SGで気になった滑りはだいぶ解消した」と、評していたが、その後の整備では珍しいことに上積みを欠いた。

この大会でファンを最も沸かせたのが佐藤摩弥(川口31期)だ。1、3、1、2着の成績で優勝戦に進出、女子レーサーでは初のSGファイナリストに。抜群のスタート力を活かし、男子のトップレーサーと互角以上の戦いを演じる。準決にて青山周平に食らい付いての2着奪取はお見事の一言であった。
「SGでこれほど良い状態のエンジンは初めて。チャンスを活かせて良かった」
優勝戦こそ8着であったが、サトマヤの存在は大きい。この大会の売上高は15億5,624万9,100円で、前年比108%。最終日には10,000人を超えるファンが詰め掛けた。
「SGに合わせて調整するのは実力の内。また、チャレンジしたい」と、意気込む。

2018年のSGは残すところ年末大一番のスーパースター王座決定戦(12月27~31日)のみ。MVP候補は鈴木圭一郎の他、オートGPと日本選手権を制した青山周平、オールスター優勝の佐藤貴也も圏内にいる。

日本選手権の車券は青山周平から買ったものの、2着の早川清太郎を外して大敗。試走から降り出した雨で軽視してしまった。2019年を気持ち良く迎える為にも、大晦日決戦は必ず車券を獲りたい。

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