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2019/01/31

Yasuhiko Amano

天野記者の『オートレースNOW』Vol.24

天野記者の『オートレースNOW』Vol.24

2019年のオートレースは間違いなく盛り上がる!もう1ヶ月前になるが、誰もがそんな想いを強くした熱戦だった__。
2018年を締めくくるSG第33回スーパースター王座決定戦は12月31日、川口オートレース場で行われ、永井大介(川口25期)が優勝した。4期連続ランク1位の鈴木圭一郎(浜松32期)は3着止まり。トライアル出場選手は“打倒・圭一郎”に燃え、整備に、レースに、渾身(こんしん)の力を注いだ。そして、10周回を見事に逃げ切った永井がその象徴か。優勝会見の最後には「みんなで力を合わせて、来年(2019年)もオートレース界を盛り上げていきましょう」と、熱い気持ちを打ち明けた。

1枠からトップスタートを切ると、永井は絶妙なテクニックを披露した。青山周平(伊勢崎31期)の猛追を凌ぎに凌ぐ。コースを巧みに守り、抜かせない。SGはこのレースを含め優勝15回、史上2位タイの数字に裏打ちされたレースぶりをいかんなく見せつけた。
「トップスタートで行かないと包まれるから」
神経を研ぎ澄ませてアクセルを握り、抜群の切れで主導権を奪った。
 「もう少し大きなコースを走りたかったが、腰周りの感触が一息だった。開けて回るのがキツイと思った。集中して走れたのは良かった」
後続を抑える走りを選択し、シッカリと実戦した。引きつけて、引きつけて、交わさせない。
「まさか優勝できるとは思っていなかった。圭一郎や若手が出てきているし、本当にもうSGは獲れないかも知れない。だから、本当に嬉しい」

2015年日本選手権以来、3年1ヶ月ぶりのSG制覇に何度もガッツボーズを繰り返し、喜びを爆発させた。
1枠で試走3.25をマークし、マシンは大満足のレベルに仕上がっていた。高橋貢(伊勢崎22期)の3.23には及ばなかったが、青山、木村武之(浜松26期)らと同タイム。
「試走から感じは良かった。突っ込みづらい状態が続いていたが、ここに来て気持ち良く突っ込めるようになった」
2節前に換えたクランクが良く、大一番ではシリンダー交換などを敢行。整備はズバリと、当たった。

完全復活したダブルグランドスラマーに対し、レジェンド・高橋の走りも凄かった。スタートでまさかの出遅れを喫し、最後方へ置かれてしまう。だが、絶望的な位置から執念の追い込みを見せる。1車ずつ確実に抜いていき、10周回の最後のコーナーで青山周平の内に飛び込んで、2着を確保した。
「スタートが駄目。朝の練習がフライングだったので、時計を見てしまったのかな。見せ場は作れたからいいでしょう」

冷静なセリフとは裏腹に、表情には悔しさがにじんだ。試走ではタイムはもちろん、動きもNo.1だった。前を詰める豪快な伸び、スムーズなコーナリング。優勝200回の絶対王者もチャンスあり、との手応えだったに違いない。悔いが残る準優勝だが、存在感は充分にアピールした。
 
3着に終わった鈴木圭一郎はパーツ交換を含めて、懸命に調整に取り組んだが、エンジンは納得のレベルには至らなかった。
「合わせ切れず、いい音が出なかった。その割には動いてくれたが」
と、振り返った。

1年を通じての成績はダントツでもSGを独占するのは難しい。現に2018年のSG=6レースは、鈴木圭一郎が全日本選抜を2回制覇し、青山周平がグランプリと日本選手権を優勝、佐藤貴也(浜松29期)がオールスター、永井大介がSS王座決定戦と、4人が優勝を分け合う形となった。

2019年初のグレード戦、1月14日に優勝戦の伊勢崎G1シルクカップは淺香潤(伊勢崎23期)が22年ぶり2度目のG1制覇。飯塚G2オーバルチャンピオンカップでは近走こそ低迷していたが、地元のエース・荒尾聡(飯塚27期)が本命・鈴木を退ける。波乱の幕開けとなり、興奮の1年を予感させた。

最後に……記者の年末収支は行ったり、来たりで、善戦健闘のほぼチャラ。
有馬記念は枠連の押さえ的中。ボート賞金王は峰竜太(佐賀95期)の相手を出ている白井英治(山口80期)に絞ってハズレ。東京大賞典は3頭BOXが当たり。競輪GPは脇本雄太(福井94期)の先行1車を過信して大失敗。そして、SS王座は試走3.26の鈴木の評価を下げて、永井から試走の良かった高橋、木村と実績上位の鈴木へ流し、ほぼ本線的中に。オートレースのおかげで年が越せた!

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