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2019/03/04

Yasuhiko Amano

天野記者の『オートレースNOW』Vol.25

天野記者の『オートレースNOW』Vol.25

“絶対王者”の異名を持つ高橋貢(伊勢崎22期)はダンディズムを感じさせる男だ。
いつでもスーツをビシッ!と、決めてレース場入りする。以前にも書いたかも知れないが、理由は「野球でもサッカーでも選手はスーツで移動するもの。社会人として当然」というもの。尚、ボートレースではスーツ着用が義務になっている。
それにしても、高橋のスーツ姿は格好いい。174cm・53kgの引き締まった体型が一層、その姿を映えさせている。
2月25日に行われた『平成30年オートレース選手表彰式』(東京ドームホテル)では渋味のある濃紺のスーツをスマートに着こなして、『平尾昌晃賞』の受賞で壇上に上がった。ラメ入りのダークスーツを着ていたMVP・鈴木圭一郎(浜松32期)も目立っていたが、髙橋とは貫禄の差が出ていたというのが率直な感想である。

自らのスタイルを貫き、レースでも答えを出す。2月20~24日、伊勢崎オートレース場で開催されたG2レジェンドカップを制覇。G2は実に24度目のV、自己の持つ最多優勝記録を202に伸ばした。優勝戦ではフライングを切ったが、2回目のスタートでは7枠から素早く4番手へ。「序盤は良い位置につけることができた」と、ポジショニングはバッチリで、さらに終盤には真骨頂を発揮する。佐藤裕二(川口24期)、内山高秀(伊勢崎26期)で周回を重ねる中、3番手をキープ。熾烈(しれつ)な先行争いをジックリと見ながら、ウルフの車名通り、静かにチャンスを伺った。前が動いた7周回目、一気に勝負に出る。内山が佐藤を捲った隙を見逃さず、鋭く差して最終周1角で先頭へ。「内山君が勝ちに行くレースをしてくれたから、展開も変わってくれた」と、会心のハンドルを振り返った。
青山周平(伊勢崎31期)ほどではないが、マシンの好不調が表情に出るタイプだ。この大会でもそう。2日目までは「立ち上がりの感じが良い。少し滑るが、補える力がある」と、上機嫌だったが、3日目には一変してしまう。
「エンジンが変化してしまって、重くなった。パワーがない」
近寄り難いムードを漂わせて、整備を敢行。シリンダー、ピストンを交換するなどの調整は見事に成功して、3年連続で準優勝だった大会を見事に制した。特に昨年はゴール前で松尾啓史(山陽26期)に差されてのV逸だけに「昨年は本当に悔しい思いをした。借りは返せたかな」と、満面の笑み。もちろん、26期以前の戦いを制圧しただけで満足する訳にはいかない。鈴木らを破ってのグレード戦Vへ闘志を高める。

史上3人目の3年連続MVPに輝いた鈴木は『平成30年オートレース選手表彰式』に靴底がゴールドに輝く革靴で登場し、ファンを沸かせた。ラメ入りのスーツは「なかなか買わないぐらいの金額」とか。
「昨年より上を目指して、スーツや靴のように輝いた良いレースをしたい」
注目度が上がるにつれて、コメントのセンスもアップしている。

2月7~11日に浜松オートレース場で行われたG1スピード王決定戦を制覇。G1優勝は4年連続7回目で、優勝戦では自己最速の上がり3秒324を叩き出した。
「準決勝戦の状態では厳しいと思ったが、クランク交換が良かった。キャブを扱ったのもドンピシャ」
5周1角で先頭を奪うと、一気に後続を突き放した。

2019年は既にグレード戦が3大会終了。1月10~14日、伊勢崎オートレース場で行われたG1シルクカップでは、淺香潤(伊勢崎23期)が22年ぶり2度目のG1制覇を飾っている。3月6~10日はG1開設記念グランプリレース(川口オートレース場)、21~25日には特別G1プレミアムカップ(山陽オートレース場)が待ち受ける。鈴木や高橋の他に、同じ表彰選手である永井大介(川口25期)、佐藤貴也(浜松29期)、青山も脇役に甘んじる訳にはいかない。
春の訪れと共に、盛り上がるオートレース。ちなみに筆者は今年1月からギャンブル収支をシッカリと付け始めた。3月末の結果は果たして……!?

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