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2019/09/27

Koichi Moriizumi

『森泉宏一の実況天国』Vol.19

『森泉宏一の実況天国』Vol.19

それでも、徐々に慣れていき、5Rで遠藤誠(浜松25期)選手が先頭に立った時は「イッツゴーンヌ!」を実況に入れる余裕も出てきました(笑)。
「イッツゴーンヌ!」は野球用語であり、北海道日本ハムファイターズのファンにはお馴染みのフレーズです。
実は遠藤選手はファイターズのファン。
しかも実弟は東大野球部出身で、元ファイターズの投手・遠藤良平さんです。
島田君も遠藤選手がトップに立った時はこのフレーズを実況に入れていたので、実は私も密かに機会を伺っておりました。
ちなみに「イッツゴーンヌ!」はホームランが出た時に出るフレーズです。

このようにどうにか乗り切って、遂に決勝戦。
スタートから柴田健治(浜松27期)選手と藤波直也(浜松31期)選手という共にG1初優勝を狙う地元コンビが大きく抜け出す展開になります。

その2選手に対し、徐々に差を詰めてきたのが“ナンバー1”の鈴木圭一郎(浜松32期)選手です。
レース終盤にリードを広げかけた柴田選手を猛追する鈴木圭選手。

最後の最後で、鈴木圭選手が捲って先頭に立ち、そのままチェッカーフラッグ!

レースリプレイはこちら

あの位置から追いつくことができる“ナンバー1”の凄味を感じた一戦でもありました。
鈴木圭選手は見事に今年2度目のG1タイトルを獲得!
今節は連日、ギリギリの戦いが続いていた鈴木圭選手ですが、表彰式でようやく笑顔に。
帰りに偶然、駅で鈴木圭選手にバッタリお会いしましたけれども。
実にホッと、した表情をされていましたよ。

冒頭で記しました“ピンチヒッター”の意味。
自分で言うのも何ですが、これが本当のピンチヒッターだ!(笑)

そして、最後にこれだけはお伝えしたい。
どれだけ細心の注意を払っていても調子の悪い日はあります。
当日にならないと分からないパターンもあれば、逆に翌日になるとスッカリ治っていたりもします。
当然、スポーツ選手も普段からコンディションや身体のケアに気を配っています。
それでも、ケガをする時はしてしまいます……それと同じでしょう。
私も数年前、同じような状況でG1レースの実況を代わってもらった経験があるので、島田君の悔しい気持ちはよく分かります。
しかも浜松は改修工事を控えているため、今年度最後となる記念開催でした。
やはり“顔”である自分が締めたいという想いが島田君にはあったことでしょう。

今回は緊急事態でしたが、クオリティーは置いておいて。
島田君の気持ちも汲み取って、無事に終えることができ、私自身もホッと、しています。
また、中継スタッフのみなさんにも多大なるフォローをしていただきました。
この場をお借りして、心より御礼申し上げます。

【オートレース 今後の記念レース日程】
・9/21~=特別G1共同通信社杯プレミアムカップ(山陽)
・10/10~=SG全日本選抜(川口)
・10/31~=SG日本選手権(飯塚)
・11/20~=G2小林啓二杯(山陽)
・12/4~=G1グランプリレース(川口)
・12/18~=G1スピード王決定戦(山陽)
・12/27~=SGスーパースター王座決定戦(川口)

【略歴】


森泉宏一(もりいずみ・こういち)
1984年5月8日生まれ
東京都出身 広島県・富山県育ち

父親の影響もあり、学生時代は野球に打ち込む
25歳の時、ボートレースで公営競技実況デビュー
2017年4月から伊勢崎オートでオートレース実況を始める
公営競技実況の他、プロアマの野球実況
さらにはイベントや展示会の司会
広告モデルや話し方教室講師などでも活動
野球好きの選手からの誘いもあり、
伊勢崎オートの野球チーム「キラッツ」に入部
しかし、デビュー戦において投手で二桁失点を喫する
その為に最近、オートレース界隈でその実力が疑われている
某選手からの「投げるスタミナがあるだけで助かっている」
という慰めの言葉が唯一の救い

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