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2018/02/07

Yasuhiko Amano

天野記者の『オートレースNOW』Vol.7

天野記者の『オートレースNOW』Vol.7

“記録ハンター”こと鈴木圭一郎(浜松32期)が地元G1で躍動する。
スピード王決定戦は2月8日~12日、浜松オートレース場で開催、2期連続ランク1位の鈴木圭一郎が主役を務めるだろう。2018年のSG第1弾、第31回全日本選抜を制する絶好の滑り出し、苦手との見方もあった湿走路でのVに無敵の快進撃が続く雰囲気だ。
鈴木圭一郎は2017年、SG4レース全ての優勝戦に進出して優勝は2回と、実績は群を抜いている。地元G1は「圭一郎 VS他選手」の図式は揺るがない。1月の全日本選抜でSGは6回目の優勝。昨年末、大晦日のSS王座決定戦で3着に敗れた悔しさをわずか10日後に晴らしたのであった。

日刊スポーツ新聞社制定オートレース年間三賞では2年連続で殊勲賞を受賞、MVPにも輝いた。
「まずまず安定していたし、年間を通して連に絡めた」と、2017年を冷静に総括。これは数字にも表れており、レベルアップは明らか。2016年との比較では単勝率57・1%→59・1%、複勝率83・7%→89・4%。要するに10走中、9走で車券に貢献しているということである。
 「趣味は整備」とも語るように、全身全霊でオートレースにのめり込んでいる。「どんな状況でも対応できるエンジンを作りたい」がモットーで、そのための研究には時間を惜しまない。オフには毎日、オートレースのVTRを見て、他選手の乗り方を頭に入れる。どのタイミングで動いたか?何が勝因だったのか?全てをインプットし実践で活かしており、”オートレースは記憶の勝負”というフレーズがピッタリ当てはまる。そして、何を尋ねても、レースの状況を覚えていることにも驚かされる。「3周3角で内が開いたので、迷わず入った」などのコメントが、数多く、いとも簡単に出てくる。とにかく記者の質問に対しての受け答えが常に的確。短時間でシッカリと考えて対応できる。また、選手紹介やイベント、トークショーの出演時は適度のジョークを交えてファンを喜ばせることも忘れない。強いだけでなく、頭脳明晰(めいせき)な”オートの申し子”の人気が高いのは当然だ。
そして、何よりも両親へ感謝の気持ちも忘れない。
「今、活躍出来ているのはズーッと、応援してくれた両親のおかげ」
記者と焼き鳥店で会食した際に「父が好きなので」と、お土産を包んで貰っていたのが印象的。強いだけではなく、人柄が本当に素晴らしい。

この無敵の若武者に「待った」をかけるのが、ダブルグランドスラマーの永井大介(川口25期)である。2017年に大ブレイク、G1を3回とG2を1回制し、優勝10回は選手最多を記録した。単勝率、複勝率などがトップの鈴木圭に対して、その数字を上回ったのは永井の優勝回数だけ。そんな2017年を永井は「ケガなく1年を送れたし、結果としていい年になった。2016年と比べれば、流れが良かった」と、振り返る。

好調の理由は二つで、まずはスタートが切れるようになったこと。
「新型クラッチになって1年経って、違和感がなくなった」
もう1つは調整面で、パーツ交換やセット変更などが次々と成功した。
2017年2月に結婚もして、家族の存在も活躍の原動力になっている。「子どもが大好き」とも公言しているので、さらなる相乗効果が出る可能性大だ。

旬な男、早川清太郎(伊勢崎29期)が不気味な存在だ。2017年はG1を3回制覇するなど、大きく飛躍して自信を深めた。整備力、レースぶりに大きな前進が見られる。飯塚のエース浦田信輔(飯塚23期)は堅実なさばきに定評。復調した青山周平(伊勢崎31期)は確実にV戦線に絡んでくる。グレード戦をにぎわす木村武之(浜松26期)、松尾啓史(山陽26期)も要チェック。女子では2017年に優勝2回の岡谷美由紀(浜松32期)がどんなレースを見せるのか楽しみだ。

Text/Yasuhiko Amano

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