TOP > コラム > “帝王”山田裕仁の競輪哲学 Vol.21

コラム

一覧へ戻る

コラム

2018/04/02

Yuji Yamada

“帝王”山田裕仁の競輪哲学 Vol.21

“帝王”山田裕仁の競輪哲学 Vol.21

「春なのに」……とても暑いです。
私の住む岐阜はこの原稿を書いている時点で、桜満開であります。日本は四季を楽しめる素敵な国だと思っていましたが、最近では冬が終わればすぐに夏が来て、夏が終わればすぐに冬が来るという感じ。つい先日まで雪が降っていたのに、もう半袖で歩いているくらいですから。
最近は春への季節の変わりを知らせてくれるのは、気候的な変化ではなく、プロ野球の開幕?桜の開花宣言?私はテレビっ子(いい大人でありますが)ですから、テレビの番組改編で特番ばかり放送するようになった時ですね(笑)。競輪で言えば、かつては日本ダービーが終われば春というイメージでしたが、今は5月になってしまったので、桜花賞の始まりが春の訪れのような気がします。でも、今年は桜花賞(G3レース=川崎競輪場)の頃にはもう葉桜になっているんでしょうけれども。

桜花賞は桜花賞でも、競馬の桜花賞(G1レース=阪神競馬場)も春の訪れを存分に感じさせてくれます。みなさんも色々な趣味をお持ちでしょうが、私の趣味・競馬は周知の事実になっています。よく「いいじゃないですか、競馬で儲かっているんですから」なんて言われることもあります。ですが、競馬は趣味ですよ!
せっかくの機会ですから馬主について少し触れてみたいと思います。馬主は競りや色々な牧場を回って、気に入った馬を購入します。値段は高額馬なら1頭=5億円という馬もいる時代ですけれども、当然、私にそんな高額馬を購入する財力はありません。まぁ、この値段の違いがスタート時点でのハンデキャップだと思っていただければいいのではないでしょうか。
購入した馬は1歳の秋から育成牧場に入ります。これは競輪で言うところの競輪学校に入学して、デビューに向けて訓練されていく場所。ここでの支出は1ヶ月=約30万円(1頭)程度で、デビューまでが約1年ということを考えると、約400万円が必要となってくるのです。
デビューが直近になった馬は厩舎へ入れて、さらに鍛える必要があります。入厩してからは1ヶ月あたりの経費は約60万円。しかし、これだけ先行投資をしても馬も生き物です。当然、無事にデビューして活躍する保証なんてありません。人間でも腰が痛い、膝が痛いなんていうケガが付き物ですし、それ以外にも校則を破って競輪学校を卒業できないなんてケースもある訳です。人間と同じように会話ができない馬はさらに大変だ!ということはご理解していただけるはずです。

12

ページの先頭へ

メニューを開く