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2018/07/13

Sakura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

2日目は仕掛けて7着。決勝戦には乗れず、一般戦回りとなった最終日は捲り不発で3着。3日目のレース後は場内から彼女に痛烈なヤジも飛びました。それを聞いて、私は不思議と良かったと、感じたものです。走る前から多くの注目を浴びてきた彼女に、車券を買って評価して下さる競輪ファン、レースを見て評価して下さる競輪ファンができたこと。それは本当の意味で日野未来が競輪選手としてデビューした!と、実感すると共に、ようやく胸をなで下ろすことができたからです。

開催が終わり、彼女に会いに行った時、私は少し緊張していました。悔しかったであろうデビュー戦を終えた彼女に、どんな言葉をかければいいのか考えがまとまらない。それなのにもう彼女の姿を見つけてしまい……「お疲れ様」の言葉しか出てこなかったところ、彼女は開口一番で「岸和田(次の斡旋)に自転車を送らなきゃいけないの忘れてたの!」そう言いながら忙しそうに自転車をバラシ始めたのです。感動とかセンチメンタルな雰囲気は1mmも生まれず、私も荷物を置いて「手伝おうか?」と、言うしかありませんでした(笑)。

日野未来は前を向いていました。その胸の内は、私には想像できないほどの悔しさや迷いがあるのかも知れません。それでも乗り越えていくしかないのだと思います。今までも一つ、一つを乗り越えて、彼女はここまできたのです。だから、私はもうそんなに心配はしていません。

私が友人として彼女のことを書くのはこれで最後になると思います。これからはたくさんの叱咤激励(しったげきれい)を受けて、とにかくアツい走りで多くの競輪ファンを魅了して欲しいですっ!

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

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