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2018/09/20

Norikazu Iwai

共同通信社杯

共同通信社杯

“若手の登竜門”と、言われるG2第34回共同通信社杯(高知)は17日、平原康多(埼玉87期)の優勝で幕を閉じた。平原の詳細は今さら書く必要もないだろう。ただ、今年は肝心なところで取りこぼしが目立っていただけに、この優勝で残りのG1レース、寛仁親王牌と競輪祭に弾みがついたはずだ。

“若手の登竜門”らしく決勝戦には清水裕友(山口105期)、太田竜馬(徳島109期)、山崎賢人(長崎111期)が進出した。郡司浩平(神奈川99期)も若手と呼んでいいだろう。その中でも山崎はG1オールスター競輪に続き、ビッグレースのファイナリストに名を連ねた。
この4選手は勝ち上がりの段階から力強いを走りでファンを魅了してきた。山崎はとても目立つアフロヘアと人気俳優と同姓同名ということもあり、連日、スポーツ新聞では大きく取り上げられていた。
残念だったのは決勝戦での太田の走りだ。前にいた郡司と村上義弘(京都73期)を目がけて叩きにいったまでは良かったが、何と郡司の後ろに切り込み、外から内へ入った際に村上を落車させてしまった。もちろん、この走りは斜行で失格となった。

レースは絶えず動いているものである。だから、走っている9選手にしか分からないこともある。しかしながら、あの動きはいただけない。勝ち上がりで見せてきた若手らしいアグレッシブな走りが一瞬にして台無しになったばかりか、彼の名前に傷がついたと言っても過言ではなかろう。結果は別にして、どうして叩き切らなかったのか疑問だ。郡司も突っ張るつもりはなかったであろう。言葉は悪いが、セコイ競走だったとだと言わざるを得ない。果たして決勝戦を戦った若手4選手が今後、成長できるか注目していきたい。

勝ち上がりについては1次予選、2次予選が自動番組、これは個人的には賛成である。ご承知の通り、グレードレースは毎月ある。その都度、同じ組み合わせも少なくない。新鮮味がなく、また同じ選手が走って連携しているのは1人の競輪ファンとして辟易(へきえき)していた。だからこそ、自力型が3人並ぼうが、有名選手が単騎になろうが、それはそれで楽しめた。ただ、車券的には難しかった。普段、連携などしない2人が自動番組のアヤで並ぶことにもなる。果たして前の選手は先行するのだろうか?と、疑心暗鬼に陥ってしまう。そう、業界としての試みは成功としても、車券売り上げの面ではマイナスに働いてしまう側面がある。
この自動番組だが、G1、G2ではなくて、G3に導入してみてはどうだろうか?記念競輪の場合、いまだに地元優先などという風潮が残っている。地元選手が活躍すれば盛り上がるかも知れないが、売り上げに結びつくとは考えづらい。本場での売り上げは全体の数%に過ぎない。全国で発売され、ネット投票が売り上げの大半を占める。わずか数%のために地元を優遇するのはナンセンスだろう。だからこそG3で自動番組を導入すれば、そんな弊害もなくなる。地元を優先した結果、全国区の選手が割を食って敗退することもしばしばある。その結果、売り上げがダウンしてしまう。なぜ、もっと視野を広く持てないのか不思議でならない。淘汰(とうた)されるべくしてされるのが、競輪界の現状であるのだから。

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