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2018/11/30

Norikazu Iwai

競輪祭を終えて

競輪祭を終えて

G1レース初のナイター開催となった第60回競輪祭(小倉/北九州メディアドーム)の売り上げ目標は100億円。6日制にしてはおとなしめの目標設定だと感じていた。結果は106億円を超え、成功だと関係者は喜んでいた。しかしながら、もう少し高く設定していても良かったのではないかと思う。目標はあくまでも目標であって、達成ありきの目標のように感じてしまったからだ。これは筆者だけでなく、そう思った業界関係者は少なくないと、知人からも聞いている。

勝ち上がり方式は特選がなく1次予選1・2、2次予選A・Bと行われた。当初は自動番組かと思いきや違った。これに関しては不平不満が各地区の選手からあったらしい。脇本雄太(福井94期)の後ろが中川誠一郎(熊本85期)、中部の本格先行である竹内雄作(岐阜99期)が単騎になり、浅井康太(三重90期)に村上博幸(京都86期)。脇本に関して言えば、今開催で近畿の選手と連携したのは1度だけ。マンネリの番組よりはマシだが、もう少し考えても良かったのではないか。オール予選なら自動番組が適している。ましてや今回はポイント制、自動番組なら不平不満は出なかったと考える。

優勝は浅井、最終第2センターからインを突き、粘る脇本を寸前で捕らえた。彼自身のG1レースでの優勝は7年ぶり3度目。浅井がこんなにG1タイトルを獲っていなかったとは驚きだが、その間にグランプリを2度制している。2着は逃げ粘った脇本で、G1レース3連覇は逃してしまったけれども、開催を通して強さは際立っていた。3着は清水裕友(山口105期)、G1レース2度目の決勝で表彰台に上がることになった。そして、表彰台に上がるだけでなく、この3着でグランプリの出場権を得た。ボーダーラインにいた原田研太朗が勝ち上がりに失敗。ゴールした瞬間、清水もまさかグランプリが確定したとは思わなかったらしい。インタビューでは「今年もグランプリはテレビ観戦だと思っていた」と、周囲を笑わせた。大逆転、それも優勝ではなく、3着で逆転グランプリ出場とは何ともドラマチックだ。来年、清水を中心に若手選手らがもっとブレークすれば、業界も盛り上がるだろう。

イベントについても少しだけ書いておこうと思う。残念だったのはバンク内のスペースにファンを入れたのが後半3日間だけであったということ。どうして6日間にしなかったのか疑問でならない。3連休はもちろん、家族連れが集まるだろうが、それ以外の日にも訪れる家族連れはいるはず。それなのに解放していなかったのは残念でならない。そして、ガールズケイリン選手のトークショーの人選だ。ガールズグランプリに出場できなかった奥井迪(東京106期)を出させる必要があったのか?トライアルレースAで優勝した児玉碧衣との掛け合い、奥井の心情を考えると言葉にならない。もちろん、奥井が喜んで出演したのならば、話しは別であるが。呼ぶのであれば、ガールズグランプリ出場の決まっている選手に声を掛けるべきだったのではないか。

KEIRINグランプリ2018の出場メンバーは三谷竜生(奈良101期)、脇本雄太、新田祐大(福島90期)、浅井康太、平原康多(埼玉87期)、村上義弘(京都73期)、村上博幸、武田豊樹(茨城88期)、清水裕友。枠番はタイトルを獲った選手が優先で好きな番号を選べるという。今年はタイトルと賞金で三谷が1番、脇本が2番。車番については公開抽選などのやり方もあるが、基本的には主催者の意向が反映される。ただ、今回に限って言えば、近畿4人が早い段階から決定。順番も三谷、脇本のどちらかが1番車、2番車だろう。恐らく、この2人は内枠を取る。試み自体は面白いが、他の方法を考えても良かったのではなかろうか。

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