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2019/02/05

Yuji Yamada

“帝王”山田裕仁の競輪哲学 Vol.41

“帝王”山田裕仁の競輪哲学 Vol.41

おおさこ
サッカーの大迫勇也選手を評する「半端ないって!」が流行語大賞にノミネートされるくらいブームを巻き起こしました。

おおさか
2018年は大阪桐蔭高校が春夏甲子園連覇達成で日本に明るい話題を提供。

おおさか
都構想問題で揉めている街が2025年に万国博覧会開催決定、大阪の景気が良くなるのではないかとの期待もチラホラ。

そして今年に入り、やってくれました!
おおさかなおみ
「半端ねぇー!」大坂なおみ選手は4大大会連覇達成に、世界ランキング1位にまで上り詰めました。日本一になることすら大変なのに世界一です。経済効果を考えれば、素晴らしい結果になりました。本当におめでとうございます!ですよね。

このまま明るい話題で2019年を引っ張っていって貰えそうな期待感が……次は国民的アイドルグループ・嵐の活動休止問題で“嵐”が巻き起こる。この嵐の活動休止発表も相当、経済効果に影響するということで刺激的な出来事が相次いでいます。
この注目度抜群な流れを、競輪界も喉から手が出るほど欲しいと、強く願う訳なのですけれどもね。

さて、今月に入り、いよいよ平成最後という言葉が使われるGIが別府競輪場で全日本選抜競輪が開催されます。別府でのGI開催が初めてということで、色々な意味で期待感も大きいのですが、 今回の参加メンバーを見渡すと、昨年の特別競輪の中心的存在でした脇本雄太(福井94期)選手の不参加。同様にナショナルメンバーの新田祐大(福島90期)選手、深谷知広(愛知96期)選手も不参加ということで、レースの流れを支配していきそうな選手が少なくなるということで激戦が予想されるシリーズになります。

北日本地区は新田選手のスピード競輪に期待出来ないということは、山崎芳仁(福島88期)、小松崎大地選手(福島99期)、新山響平(青森107期)の頑張りに期待といったところでしょう。

関東地区はまだまだ平原康多(埼玉87期)選手頼みという感はしますが、年末グランプリの落車で、個人的には完調の評価は出していません。後輩の頑張りによって流れを作って貰い、そこから勝機を見出す走りはできているようには思えます。しかし、自分でレースを組み立て、チャンスを見出すというレースでは少し心配があるような現時点の評価です。

南関東地区は渡邉雄太(静岡105期)選手の思い切りの良さ、あとは千葉勢が安定した自力の発揮ができるかどうかで結果は変わってくると思います。

中部地区は浅井康太(三重90期)選手の成績が安定しているので、優勝に一番近い位置にいるような気がします。ですが、今年に入り、記念競輪で絶好調の走りをしていた竹内雄作(岐阜99期)選手がここにきて疲れがピークなような気がします。別府のように風が強くて重たいバンクは竹内選手にはピッタリな条件だとは思いますが、1月だけでも3本の記念競輪(高松は途中欠場)に参加してきて、連日の先行勝負なだけにコンディション面が心配です。

近畿地区は絶対的エース・脇本選手の不参加で、昨年の勢いを見せつけることができるのかが楽しみですね。特にチャンピオンユニフォームを着ている三谷竜生(奈良101期)選手は昨年のビッグ3度の優勝が脇本選手の番手からということを考えると、脇本選手不在でもやれるということを証明しないとならないシリーズだと思えるだけに要注目。

中四国地区ではS級S班となった清水裕友(山口105期)選手、ヤンググランプリ優勝と高松記念優勝で自信をつけた太田竜馬(徳島109期)選手、自在に走れる松浦悠士(広島98期)選手の動きが良いだけに楽しみな地区ではないでしょうか。

地元・九州地区は中川誠一郎(熊本85期)選手の一発、山崎賢人(長崎111期)選手の復調具合にかなり左右されるように思えます。

平成最後のGIに名を刻み、また、別府競輪場で初のGI開催。チャンスは全ての選手にあるシリーズとも言えますが、インフルエンザが猛威をふるい、集団感染も流行っています。体調管理には細心の注意を払い、ベストなレースを提供して欲しいものです。
開催終了後に「半端ねぇーーーっ!」と、評される選手が出ることを期待しています。

【略歴】

山田 裕仁

山田 裕仁(やまだ・ゆうじ)

1968年6月18日生 岐阜県大垣市出身
1988年5月に向日町競輪場でプロデビュー
競輪学校の同期で東の横綱・神山雄一郎(栃木61期)、西の横綱・吉岡稔真(福岡65期・引退)らと輪界をリード
“帝王”のニックネームで一時代を築いた
2002、2003年の日本選手権競輪(ダービー)連覇などG1タイトルは6つ
KEIRINグランプリ連覇を含む史上最多タイ3度の優勝など通算優勝110回
通算獲得賞金は19億1,782万5,099円。
2018年末、三谷竜生(奈良101期)に抜かれるまでは年間獲得最高賞金額=2億4,434万8,500円の記録を持っていた
自転車競技でも2001年のワールドカップ第3戦(イタリア)で銀メダルを獲得するなどの実績を残した
2014年5月に引退して、現在は競輪評論家として活躍中
また、競走馬のオーナーとしても知られる

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