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2019/03/22

Norikazu Iwai

ガールズフレッシュクィーン

ガールズフレッシュクィーン

あらゆる分野において、新しいことにチャレンジすることは良いことである。ましてや売り上げ低迷にあえぐ競輪界には積極的なチャレンジを試みて欲しいものだ。ただ、無意味に思えてしまうチャレンジには疑問符がついてしまう。
何のことかと言えば、4月14日に高知競輪場で行われる予定の『第1回ガールズフレッシュクイーン』のことだ。出場メンバーは、梅川風子(東京112期)、鈴木美教(静岡112期)、大久保花梨(福岡112期)、内村舞織(福岡112期)、太田りゆ(埼玉112期)、佐藤水菜(神奈川114期)、柳原真緒(福井114期)の7選手。

なかなかのメンバーだなと、発表当初は思ったのだが……考えれば、考えるほどに筆者は違和感を覚えてきた。それは梅川と鈴木は昨年末のガールズグランプリに出場。“飛ぶ鳥を落とす勢い”の佐藤も5月のガールズコレクション(松戸)出場を決め、防府G3時にも一番人気であった高木真備(東京106期)も寄せつけない積極先行での優勝は記憶に新しい。同県同門の大久保と内村も通常開催では主力級。ご存知の通り、太田は2020年東京五輪を目指して世界を転戦、競技でも結果を残している。柳原も波こそあるが、114期の在校1位&卒業記念レースクイーン。一様に知名度があり、最高峰のレースを経験している選手もいる。
ということで、フレッシュ感という部分が欠けているように思えるのだ。単純に112期と114期のカテゴリーだけで新設されても、それこそ新鮮味を失ってしまう。そもそもガールズグランプリという大舞台を経験した選手が出場しなければならないのか不思議でならない。仮に昨年末のガールズグランプリで、梅川か鈴木が優勝していても選考されたのだろうか?日本一に輝いた選手が格下、それも選考基準40人程度の中で戦って勝利しても、意味はないのではないかと思うのである。

冒頭でも指摘したが、意図が見えない試みは自重した方が良いだろう。“フレッシュクイーン”というネーミングは響きも良いし、期待感も抱ける。しかし、ここで問題となってくるのは選考基準であろう。112期と114期の中からの選考は良しとしても、除外規定も必要となってくるのではないか?この点を出場する選手たちがどう思っているのか、とても気になるところでもある。

男子ではルーキーチャンピオンレースがある。ただ、これはガールズケイリンと比較できるものではない。男子のルーキー選手はA級3班のチャレンジ戦からスタート、特昇などがあってもルーキーチャンピオンレース開催時にはS級2班が現状では精一杯だ。よって一流選手との対戦経験もほとんどない。それに比べ、ガールズケイリンはデビューしてすぐに一流選手と対戦する機会もあり、場合によっては互角に渡り合う選手も多いからだ。

単純に冠をつけたものでは最初だけではないか!?と、危惧(きぐ)してしまう。せっかく新設したからにはズーッと、続いていく開催であること。そして、何よりもファンの興味を引きつけられるものにしなければならない。

2回目(来年)以降、今回の出場選手である114期(今年の選考基準ならば、来年は114期と116期が対象)の佐藤や柳原がガールズコレクションやガールズグランプリを勝った時はどう変わっていくのか?
チャレンジすることだけに意義があるのではなく、チャレンジしたからには成功に結びつけなければならない。今の時代、ただチャレンジするだけでは誰も認めてはくれない。ましてや人気凋落が叫ばれる競輪界なのだから、シッカリとしたビジョンを持ち、考えたうえでチャレンジしなくてはならないはずだ。

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