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2019/08/23

Shinichi Gokan

『SPIRIT OF BOSS』Vol.12

『SPIRIT OF BOSS』Vol.12

Perfecta Naviをご覧の皆様、後閑信一です。
今回は名古屋競輪場で開催されました第62回オールスター競輪を振り返りたいと思います。

選手にとってオールスター競輪は日頃のレースで車券に貢献し、お客様へインパクトのある姿を見せているかを知る人気のバロメーターとなる開催です。毎年、良いモチベーションになっているのではないでしょうか?
私も現役時代にはドリームレースに5回、オリオン賞レースに3回、ファンの皆様に投票していただきましたおかげで乗ることができた良き思い出があります。
今回のドリームレースに選ばれたのは1位=脇本雄太(福井94期)選手、2位・平原康多(埼玉87期)選手、3位・新田祐大(福島90期)選手、4位・浅井康太(三重90期)選手、5位・清水裕友(山口105期)選手、6位・三谷竜生(奈良101期)選手、7位・深谷知広(愛知96期)選手、8位・村上義弘(京都73期)選手、9位・山﨑賢人(長崎111期)選手でした。
メンバー構成から、世代交代の色が見えつつあります。その背景にあるものは、レースのスピード化を図るルール改正とナショナルチームの存在でしょう。さらにスピードとパワーを重視した科学的理論に競輪界が向かっていることを伺い知ることもできます。一体、新時代の競輪はどこに行ってしまうのだろう……。近い将来【競輪】が【KEIRIN】に変わってしまうのだろうか?と、一抹の不安を感じながら、今回のオールスター競輪を見守りました。

ドリームレースでは先行態勢の脇本選手を最終ホームで深谷選手が叩き返しました。その前半タイムはなんと10秒6! さらに深谷選手を新田選手が捲り上げるというナショナルチーム3選手の走りが目立っていました。
また、ドリームレースに選ばれながらも存在感を示すことができなかった清水選手と山崎選手。この2選手が今回のオールスター競輪で流れを引き寄せられなかった要因がこの初日にあったのではないか?と、私は思っています。同じく単騎戦を選択した平原選手は2人とは違い、今回の脚勢に光るものがありました。レースでは新田選手の10秒7の捲りにピタリと、ついていき、最終4コーナーで外から抜き去り、上がりタイムも10秒6!今までナショナルチーム対策としてスピード強化を独自にアレンジしながら試行錯誤してきたことが、ついに実を結び始めてきたことを感じました。

二次予選で目を引いたのは、ドリームレースで魅せるレースをした深谷選手をマークした柴崎淳(三重91期)選手です。深谷選手の仕掛けにピタリと、つき切ると、車間を空けて余裕の差し切り!パワーだけではない柴崎選手らしい鋭さとしなやかさを見せてくれました。柴崎選手にとって今回の二次予選の感覚は今後の自信となり糧となるでしょう。

準決勝の10Rでは新田選手が乗車フォームを前乗りから後ろ乗りへと矯正して、航続距離を伸ばすことにより、同県の先輩である佐藤慎太郎(福島78期)選手と共に決勝戦進出を果たしました。
11Rは平原選手の独壇場で、レースを見事なまでに支配しました。平原選手は深谷選手のトップスピードに合わせて、清水選手の先行を捲り上げ、2番手の小倉竜二(徳島77期)選手のブロックをも跳ね返して、貫禄の1着で決勝戦進出でした。
そして、12Rは高松宮記念杯で鎖骨を骨折して、約2カ月の欠場期間を計画的に仕上げてきた郡司浩平(神奈川99期)選手が冷静な立ち回りを見せました。自ら動いて新山響平(青森107期)選手の3番手を取り、ファン投票1位で優勝候補の脇本選手を後方に置く展開に持ち込む。そして、猛然と、迫る脇本選手の気配を最終4コーナーで察知してからは自転車を外側に持ち出しながら前に踏み撃破!見事な1着で、決勝戦進出を決めたのです。

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