TOP > コラム > 恋して競輪ハンター

コラム

一覧へ戻る

コラム

2019/11/19

Sakura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター 48 Hunting

11月に入って、最初の松戸F1ナイターでのお話しです。
初日の第1レースはラインがバラバラの4・6・8(ヨーロッパ)決着、3連単の配当は30万円を超えました。続く第2レースも波乱。配当こそは1万円台でしたが、ラインを切り替える選手がいたりして、再びラインがバラバラの決着に。第3レースも大本命のラインが内を掬われて連携が離れ、最後は3連続のバラバラな結末で20万超え……。
切り替え、掬い、掬われにより、3レース連続でラインはメチャクチャ。もはや、これは“バラバラ殺人ライン事件”とも言える状況で「姉さん、事件ですっ!」と、思わず叫びたくなるような気持ちになりました(苦笑)。
でも、実際はそんな冗談を言う余裕などありません。半ベソをかきながら、車券が外れたことへのイライラが募りました。

何でみんなラインを大事にしないの?
何のためにラインを組んでいるの?
競輪って、ラインじゃないの?

車券が外れることには慣れていますが、レースに納得がいかないとモヤモヤが残ってしまうものです。どんな結末であろうと、外れは外れだと、すぐに割り切れるほどに人間ができていないので……納得のいかないレースに心が折れ、久々に“競輪やってられっかモード”に突入。仕事をしていなかったら、間違いなく買うのを止めていたことでしょう。

でも、怒っていても車券が当たるようになる訳ではありません。深呼吸して立ち返ると『ラインを組む』や『ラインを大切にする』ということに、正式なルールはないことを思い出しました。普段、当たり前のようにラインを基準に展開を考えますが、ラインは競技規則などで定められたものではなく、あくまでも暗黙であり、チームでもありません。ラインは互いの力を利用し合って、自分にとって有利にレースを運ぶためのものであることを忘れてはいけません。
(この考え方は岐阜競輪のガイダンスの嘉兄こと元競輪選手の北村嘉之さんに教えていただきました。ここでは書き切れませんので、シッカリ知りたい方は是非、岐阜競輪のガイダンスを訪ねてみて下さい)
ラインの役割をそう考えると、自分にとって不利な展開になった時に切り替えることを裏切りとは思わず、納得がいきます。“バラバラ殺人ライン事件”はそれぞれの選手が勝つために全力を尽くした結果なのだと思うと、事件解決です。気を取り直して、次のレースに挑むことができました。

11月に入ってから切り替えや、思いもよらない波乱を見る機会が増えたようにも感じます。今年もあと1ヶ月半ということで、グランプリ争いは小倉G1競輪祭を残すのみですが、日々のF1やF2の開催でも今期の帳尻を合わせにきている選手、追い込みを掛ける選手が目に止まるようになってきました。コンマ何点で選手人生が左右されていくのであれば、背に腹は代えられません。切り替えはもちろんのこと、いつもより少し早目の追い込み、「◯◯ラインの3番手『から』」のようなコメント、他地区についている選手はこれまで以上に注意深く確認しなければと、思いました。それはレースを理解、納得するためだけでなく、そこにこそ“高配当”が潜んでいるからです。選手心理、ラインを組んだそれぞれの思惑をより深く考え、美味しい配当を探しにいきましょう!

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

ページの先頭へ

メニューを開く