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2019/12/11

Shinichi Gokan

『SPIRIT OF BOSS』Vol.14

『SPIRIT OF BOSS』Vol.14

Perfecta Naviをご覧の皆様、後閑信一です。
今回はG1競輪祭の決勝戦を__タイトルを獲るうえで、必要な“説得力”と“インパクト”にも触れながら振り返りたいと思います。
決勝戦のメンバーは
1番車/松浦悠士(広島98期)選手
2番車/和田健太郎(千葉87期)選手
3番車/平原康多(埼玉87期)選手
4番車/吉田拓矢(茨城107期)選手
5番車/清水祐友(山口105期)選手
6番車/柏野智典(岡山88期)選手
7番車/木暮安由(群馬92期)選手
8番車/坂口晃輔(三重95期)選手
9番車/諸橋愛(新潟79期)選手

並びは吉田-平原-諸橋の関東地区3車に対して、清水-松浦-柏野の中国地区3車のライン。他は和田、木暮、坂口が単騎戦となりました。注目されたのは、年末のKEIRINグランプリ2019への出場権です。清水選手は獲得賞金額で出場がほぼ確定しています。諸橋選手を含め、和田選手、吉田選手、木暮選手、柏野選手、坂口選手は優勝しないと出場権が得られない中、賞金でボーダーラインに懸かっていた松浦選手と平原選手は失格なく無事に完走すればグランプリ出場が決定するという状況でした。
ファンの皆様も選手たちの思いはある程度、想像ができたのではないでしょうか?松浦選手はメンバーが出た時点では、清水選手の前を回るとのコメントも匂わせていたようです。自力でも戦える松浦選手は失格なく、力を出し切り、清水選手にG1を獲ってグランプリに出場してもらいたい気持ちもあったのではないでしょうか?しかし、話し合いの結果、清水選手-松浦選手-柏野選手の並びに決まったのであります。
そして、関東勢は木暮選手だけが単騎戦を選びました。他にも和田選手と坂口選手が単騎戦でしたが、その3選手の中でも『タイトルに近い男!』として常に名前の挙がってきた木暮選手の走り方にも興味と期待を持たれた方は多かったのではないでしょうか?

木暮選手と言えば『シビアに攻める』という走り方がまず浮かんできます。問答無用に1着だけを目指す走りが印象的です。勝ちに徹するがあまり、時には関東同士の競り合いも演じてきました。しかし、木暮選手のように名前を挙げるだけで、すぐにその選手の走り方が思い浮かぶということは、見せ方として一流のプロではないかと、私は思います。
G1タイトルを獲るような超一流の選手たちは決勝戦でも変わらず自分のレースに徹することができます。そこに着目してみると、今回の決勝戦での木暮選手の走り方には、これまでの強気な木暮選手が見られなかったように思えます。木暮選手がさらに飛躍するためには何が必要なのか?もしも私が今回の木暮選手の立場だったら、どんな走り方をしただろうか?と、考えると、私ならば迷わず清水選手の番手に競りにいったでしょう。そこには幅広い意味での“意地と主張と一貫性”など、様々な要素が含まれています!自在型と言っても先行という戦法をあまり取り入れない木暮選手が今後タイトルを引き寄せるために必要な選択ではなかったのではないかと、私は思います。
対する松浦選手も『タイトルに近い男!』と、呼ばれ、今回、チャンスをモノにしました。松浦選手が先頭で走る時は長い航続距離の先行もあり。番手で競る時もキッチリと、主張して競り抜きます。私も現役時代に松浦選手とは同じレースで、やり合ったものです!時には競り合って、一緒に落車したこともありました。松浦選手の走り方にはどの走りにも説得力があり、その積み重ねが周りの心を動かし、認めさせ、今の実力にまで上り詰めてきたものでしょう。

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