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2020/05/03

Sakura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター 59 Hunting

東京では4月25日から『ステイホーム週間』が始まりました。
私はステイホーム週間を待たずして、学生時代ぶりのとても長い休みを家で過ごしています。元々が出不精で、休日の1日の歩数が100歩を切ることも。家から一歩も出なくても平気なタイプなのですけれども、これだけ長く家にいると、どうしたって出掛けたい気持ちがうずいてきます。

天候も気持ちが良く、通常ならゴールデンウィークが始まるタイミング。旅行に出たり、お出掛けの予定を立てたりするのが楽しいはずの大型連休。また、競輪ファンならば数年前からゴールデンウィークと言えば、日本選手権競輪=ダービーですよね。今年は静岡競輪で開催予定でした。それに合わせて、旅行を計画していた人もいたのではないでしょうか。開催中止は本当に残念な限りですが、これも日常を取り戻すため。思いっ切り競輪を楽しめる日々を1日でも早く取り戻すために、今一度、気を緩めることなく家で過ごそうと、思いました。

前回のコラムで、自分の投票スタイルを見つめ直そうと、思っていることを書きました。目についたレースを片っ端から買うのではなく、勝負レースを見極めるというのが目的でしたが……結論から言うと、この3週間で成果を出せませんでした(涙)。
朝、起きて出走表を見る、ということはできています。でも、1日の全レースの中から勝負レースを見極めるというのが、なかなか私には困難!全レースを見てから決めようと、思っていても、見たレースでピン!と、きたら、そこをもう勝負レースにしてしまうんですよね。自分のせっかちで、安易な性格まではなかなか変えられないなぁと、実感しました。それでも、当たれば続けられるのですが、外れて、しかもそれがモーニング競輪だった時にはその日の午前中に車券終了なんてことも……。ただでさえ長い“おうち時間”。レースが続く限り、楽しみたい!ということで、勝負レースに1日分の車券代を賭けるのではなく、いつも通りの自分の投票スタイルでチマチマと、長く競輪を楽しむ方に軌道修正しました。

このように新しい試みをすると、発見の連続です。厚目に勝負した時の投票ボタンを押すときの感覚、外した時の普段以上の喪失感、その後のコーヒーの苦さ、部屋の静けさ……挑戦するまで知らなかった新しい感情や新鮮な空気。改めて自分という人間を知ることにもなりました。

競輪選手の日々も挑戦の連続なのかなと、想像します。フレームの新調やミリ単位のセッティングの変更。調子の良い選手から聞いて、新しいトレーニングを試すという話もよくありますよね。もっと言えば全く同じバンクコンディション、全く同じメンバーでのレースもない訳ですから、毎レースが新しい挑戦なのかも知れません。挑戦とも言えないくらい小さな私の挑戦ですら色々と、感じるものがあるのに、毎日が挑戦の連続の選手たちはどのようなことを感じ、どれだけの経験を得ているのだろうか?と、思います。車券を買う側としては予想に反して、いつもと違うことをされると、つい「なんでよ!」なんて文句の一つも出てしまいますが、選手の挑戦を応援できる心の広いファンでいたいもの。そのためには車券を当てないと……心の広さは懐具合に左右されますからね(笑)。

今回のコロナ禍によって私たちは習慣を変えることを求められていますが、生活と共に身についている習慣を変えることは簡単ではありません。それでも、今、みんなで挑んでいるこの挑戦が私たちの糧となり、より良い日々へと、導いてくれることを信じています。

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

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