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2022/11/25

岩井範一

新規ファンを獲得するために

新規ファンを獲得するために

今年最後のG1である第64回朝日新聞社杯競輪祭が開催中だが、結果を含めたコラムは次回に書くとして、今回は、競輪選手のテレビ出演などについて書いていきたいと思う。
現在、G1決勝とKEIRINグランプリは全国ネットの民放で実況中継されている。それぞれの放送局による違いはあれど、選手の実家を訪問したりして、その選手の素顔を見せたりもしている。これは、新規ファンを獲得する狙いからすれば、非常に効果的なことだと言える。家族も登場するとなれば、親近感も沸いてくるというものだ。しかし、残念ながらこれ以外に民放での放送はないのが現状だ。

それならば、実況中継ではなく、バラエティーなどで露出すれば、競輪のイメージアップに繋がるはずだ。11月28日には岡山の米嶋恵介選手が「激レアさんを連れてきました。」という番組に出演予定だという。詳しい内容は分からないが、こういった選手がどんどん表に出ることは大歓迎である。聞けば米嶋選手は、脱サラ組らしい。自転車エリートでなく、一度は違った職業についた人間のサクセスストーリーは、これから選手を目指す人間にとっては心強いかもしれない。もちろん、これ以前にも人気番組に競輪選手が出演したことはある。だが、それ自体が少なすぎる。毎月とまではいかなくとも、数カ月に1回程度の割合で露出してくれたら、この業界も盛り上がると考える。

テレビではないが、YouTube(ユーチューブ)を始めている選手も多くいる。手作り感があるし、選手の素顔が見られる点では面白いと思っている。筆者が気に入っているのは、引退した後閑信一氏の「後閑信一チャンネル」と、金子貴志選手の「カラフルスタイルTakashi Kaneko」だ。両者ともに共通しているのは、アウトドア。特に金子選手は、流行のソロキャンプネタを多く出している。金子選手は物静かなイメージがあったが、アウトドアに興味を持っているとは驚いた。付け加えると、競輪界と他の業界を結びつけるような企画もある。金子選手なりに、競輪に興味を持ってもらいたいと考えているのだろう。こうやった現役選手の小さな積み重ねも、新規ファンの獲得に繋がっていくのではないだろうか。

現在、熱戦が繰り広げられている競輪祭もファンサービスといった点では、G1開催の中では一番といっていいかもしれない。筆者も以前、北九州メディアドームに足を運んだことがあるが、これほどイベントに力を入れていたところはないと感じた。著名人のステージに熱中するあまり、買いたかった車券を買えなかったこともあった。民放も決勝だけではなく、シリーズを通して少しでも放送してくれたらと思う。実際には難しいかもしれないが、そういったところにお金をかけることも重要だと考える。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

※写真はイメージです。
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