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2022/12/03

森泉宏一

『森泉宏一の実況天国』Vol.85

『森泉宏一の実況天国』Vol.85

前回のコラムでもお伝えしましたが、先日のSG日本選手権オートレースをもって、年末の「SGスーパースター王座決定戦」のトライアルメンバーが決定しました。

※トライアル出場の16選手はこちら

今回は出場16選手の紹介を、前後半の2回に分けて記していきます。
(※優勝回数などのデータは12月1日現在のもの)

まずは、川口、伊勢崎勢から。

中村雅人
【中村雅人(川口28期)】
2022年:優出10回、優勝2回、1着本数41本
・各場競走成績第1位選手
・SGプレミアムカップ優勝戦得点上位選手

今年ここまで2回の優勝はいずれも一般開催だが、10月の伊勢崎、11月の飯塚と気温が下がる季節に入り優勝を飾っている。信頼の厚い自在な捌き健在のSGグランドスラマーは、川口再開シリーズに斡旋(あっせん)され、いち早く走路を確認できた数少ない選手。その経験値も活かしたいところ。
スーパースター王座決定戦は2010年、2013年と過去2度制覇。

永井大介
【永井大介(川口25期)】
2022年:優出10回、優勝1回、1着本数43本
・SGプレミアムカップ優勝戦得点上位選手(3位)

今年は優勝1回と寂しい数字になってはいるが、その唯一の優勝は、1月末に飯塚で行われたG2オーバルチャンピオンカップ。いいスタートを切った2022年だったが、その後は優勝に恵まれないシーズンを過ごしている。
しかし、記念戦線での優勝戦進出は多く、5月のSGオールスター(6着・湿走路)、8月のSGオートレースグランプリ(3着・良走路)。G1、G2でも5月の川口記念(3着・良走路)、7月川口のキューポラ杯(2着・良走路)など一定の結果を出している。
持ち味のカマシスタートで展開を作る持ち味を発揮したいSGダブルグランドスラマー。雨は外が効かないと割引が必要か。
スーパースター王座決定戦は2008年、2014年、2018年と過去3度制覇。

加賀谷建明
【加賀谷建明(川口27期)】
2022年:優出9回、優勝2回、1着本数29本
・SGプレミアムカップ優勝戦得点上位選手(4位)

ある意味、今年のオートレース界を最も沸かせた選手といってもいいかもしれない。脊髄と脳の2カ所に腫瘍が見つかり、手術のため戦列を離れた。多くのファンが心配する中、11月の飯塚G1で復帰。復帰戦がいきなりのG1戦線ということもあり、
「慣らすところから始まるかな」
「とにかく無事完走を!」
という思いで観ていたが、その思いとは裏腹に、2日目に復帰後初勝利を挙げると、そのまま優勝戦進出。そして何と、自身G1初優勝を獲得する快挙を達成! この快挙はオートレースファンだけでなく、多くの公営競技ファンにも驚きをもって伝えられた。
さらに、それだけに留まらず、新設されたチャリロト杯G2オートレースメモリアル(浜松)では、鈴木圭一郎選手を抑え、記念連続優勝!
今、最も手が付けられない存在となっている加賀谷選手。今月の川口では新車も試すという情報もあり、この勢いを地元の新走路に持ち込みたいところだ。

小林瑞季
【小林瑞季(川口32期)】
2022年:優出10回、優勝1回、1着本数29本
・SGプレミアムカップ優勝戦得点上位選手(11位)

今年は2月に川口で開催された開設記念レースで2度目のG1優勝。これが念願の地元G1初タイトルとなった。
記念戦線では何といっても、SGオートレースグランプリでの優勝戦メンバー入り(8着)。先月のSG日本選手権では準決勝戦3着と惜しくも優勝戦進出を逃したが、SGレースでも力を発揮できることを証明した年となった。
スタートの安定感があり、機力面の上積み次第で見せ場を作れるか。
地元走路で行われる大一番。昨年の黒川京介選手のように、地元の若手選手による大躍進に期待したいところだ。

青山周平
【青山周平(伊勢崎31期)】
2022年:優出23回、優勝13回、1着本数73本
・SG優勝者
・各場競走成績第1位選手
・SGプレミアムカップ優勝戦得点上位選手

当然のようにスーパースター王座決定戦の本命に挙げられる存在であり、現在大会3連覇中。
捌きやスタートなど、全てを兼ね備えた超一流プレイヤー。スタートを決め、後続を抑えるテクニックは円熟の域に達しつつある。今年は地元・伊勢崎のG1シルクカップ連覇から始まり、SGは地元走路のオートレースグランプリと、飯塚開催の日本選手権のタイトルを獲得。
さらに特別G1プレミアムカップ、G1は伊勢崎ムーンライトチャンピオンカップ、飯塚ダイヤモンドレースを優勝。一般開催も含めて、着外わずか14本という数字も特筆すべきものがある。
デビュー最速グランドスラマーは、2015年、2019年、2020年、2021年と過去4度、スーパースター王座に輝いている。ちなみに大会3連覇中と記したが、年間最優秀選手賞も3年連続で受賞継続中である。

早川清太郎
【早川清太郎(伊勢崎29期)】
2022年:優出14回、優勝1回、1着本数33本
・SGプレミアムカップ優勝戦得点上位選手(1位)

今年は川口G1キューポラ杯を制したが、優勝はそのひとつのみ。
「ナイターキング」として毎年恒例となっている地元伊勢崎で優勝を量産する姿が、今年は見られなかった。とはいえ、今年3度のSG開催は全て優勝戦まで駒を進める勝負強さも発揮している(オールスター7着、グランプリ2着、日本選手権4着)。
昨年大会は落車(他落)もあり未勝利で、決定戦進出はならず。11月飯塚G1最終日の落車の影響も気になるところだが、立て直しを図ってくれるはずだ。

高橋貢
【高橋貢(伊勢崎22期)】
2022年:優出14回、優勝1回、1着本数45本
・SGプレミアムカップ優勝戦得点上位選手(7位)

今年は8月末の地元・伊勢崎開催で今年初優勝を飾った。これが自身久々の優勝と、意外なシーズンを送っている絶対王者。その一方で、今年は8月のSGオートレースグランプリの5日目から3節をまたいで8連勝を記録(前述の優勝を含む)。10月の浜松G1スピード王決定戦でも、初日から4連勝の負け知らずで優勝戦進出と、勝ち出すと手が付けられない走りを披露することもあった。
2022年は、現役最多勝利数を更新する記念すべき年にもなった。雨など、どんな走路コンディションでも乗りこなす信頼度は、相変わらず高い。通算優勝回数211回、SG21冠を含む76個の記念タイトルホルダーという他を圧倒する実績を誇る男の逆襲に注目したい。
スーパースター王座決定戦は1999年、2004年、2009年、2012年と過去4度制覇。

三浦康平
【三浦康平(伊勢崎28期)】
2022年:優出7回、優勝1回、1着本数17本
・SGプレミアムカップ優勝戦得点上位選手(9位)

今年は勝利に見放される期間が長いなど、序盤から苦しんでいたが、9月の特別G1プレミアムカップで優勝戦進出を果たすと、10月末には、地元・伊勢崎のアフター5レースで、2014年9月以来、自身約8年ぶりの優勝でリズムを作ってきた。
さらにはSG日本選手権で、2017年グランプリ以来、5年ぶりにSG優勝戦に名を連ねる活躍も披露した。周囲からの信頼も厚い頼れる伊勢崎支部長の熱い走りに期待したい。

次回は浜松、飯塚、山陽所属選手を紹介いたします。ぜひ、ご覧下さい!

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