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2022/12/16

岩井範一

ガールズケイリンのG1新設

ガールズケイリンのG1新設

年末の大一番・KEIRINグランプリ2022が間近に迫ってきた。まだこの原稿を書いている段階では、車番も決まっておらず、並びは流動的だ。ポイントは東北4車が連携するかどうか。また、前日の12月29日に行われるガールズグランプリ2022は、児玉碧衣と佐藤水菜の一騎打ちの様相だろう。早く29、30日が来てほしいと、日々思っている。予想は次に回し、今回は、ガールズケイリンのG1新設について、思うところを書いていきたい。

13日にJKAがガールズケイリンのリブランディング第3弾として発表したのが、3つのG1新設だった。
6月の高松宮記念杯競輪で同時開催される「パールカップ」。女子選手のみの「オールガールズクラシック」。そして11月の競輪祭では「競輪祭女子王座戦」が実施される。正直な所、今さら感は否めないだろう。ガールズケイリンが再開されたのは10年前。ガールズグランプリは当初からあったが、ビッグレースと言われてきたレースの格付けはF2のまま。本気でガールズケイリンに力を入れるのであれば、少なくとも5年前から、こういった格付けの取り組みが必要だと感じた。筆者自身はそれより早く、ある程度の人数がそろったら、グレードレースを新設すべきだとの考えは持っていた。

現在の競輪界は、売り上げも好調(好調といっても、全盛期に比べれば、まだまだの数字ではあるし、地方競馬やボートレースの勢いを止めることはできていない)。その中で、ガールズケイリンは多大な貢献をしてきたと思っている。それでも、今までJKAは格付けをしてこなかった。格付けをしないということは、競技の価値が低いままになると思っている。今回、やっとG1というカテゴリーが作られたのは、良しとしよう。だが、現時点では賞金が決まっていないとのこと。大会は決まっているのに、賞金額が決まっていないという摩訶不思議な現象だ。見切り発車は否めない。これでは、地方競馬やボートレースに水をあけられたままではないだろうか? ところが、それを強く指摘するメディアがいないのも情けない話であろう。ガールズケイリンの再開から10年が経つ。ようやくG1が新設されるのだから、関係者はもう少し、もう少しどころか、もっと完璧な形で発表をすべきであろう。

ガールズケイリンの新ユニホーム

また、ユニフォームも替わる。シックな感じはするが、華やかさに欠けていると、個人的には思う。もちろん、これは賛否両論あるし、人の好みの問題ではある。
G1新設もそうだが、いい方向に向かおうとする意欲は感じられる。だが、意欲だけでは成功しない。理想を追うのではなく、現実を見つめて、進んでほしいと切に願う。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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