TOP > コラム > 小林優香が完全復活なるか

コラム

一覧へ戻る

コラム

2023/03/21

岩井範一

小林優香が完全復活なるか

小林優香が完全復活なるか

女王・小林優香。女王という言葉に、違和感を覚える人もいるだろうが、筆者にとって、ガールズケイリンの女王は小林優香なのだ。その小林が、本来の姿に戻って躍動している。この原稿を書いている時点で、1月13日から18連勝中。2014年の22連勝に迫る勢いを見せている。完全に、元の強い小林が帰ってきた。

思い起こせば、ここまでの小林の競輪(自転車)人生は、山あり谷あり、ジェットコースターのようだった。日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)時代は、ゴールデンキャップを獲得。デビュー後も、破竹の進撃を続け、あっという間に頂点に立った。当時の小林を見て、筆者はファンになったし、大相撲の北の湖の全盛時を思い出したものだ。どんなにあがいても、どうにもならない強さ。無敵とは、まさに小林のことを言うのだと心の底から思った。

国内では無敵の小林が目を向けたのが、五輪だった。2020年(21年)の東京五輪を見据え、主軸を自転車競技に置き、ガールズケイリンからは遠ざかった。五輪直前には、メダル候補に急浮上するなど期待が高まった。結果は、ケイリンが準々決勝敗退。スプリントは敗者復活戦で敗れた。五輪後は2024年のパリ大会を目指す意向を示していたが、大ケガにより断念。競技からは身を引き、ガールズケイリン一本に絞っていた。

五輪を目指す、世界を相手に戦うことは、素晴らしいことである。だが、筆者としては、競輪場で疾走する小林が好きだ。だから今は嬉しく思っているし、彼女の出るレースには興奮する。車券も配当的な妙味には欠けるものの、絞って買える利点もある。

現在のガールズケイリンは児玉碧衣、佐藤水菜がツートップの評価。これに昨年のガールズグランプリを制した柳原真緒。さらに、ベテランの石井寛子も元気いっぱいだ。ここに、強い小林が戻ってきたとなると、ワクワク感が止まらない。児玉も力でねじ伏せるレーススタイルだが、小林はさらにもっと強く力でねじ伏せるイメージがある。

完全復活を印象づけたい大会が21日、G2ウィナーズカップ最終日の第9レースで行われる「ガールズケイリンコレクション2023別府ステージ」である。メンバーは小林の他に、児玉碧衣、佐藤水菜、太田りゆ、柳原真緒、鈴木美教、尾方真生。人気は児玉と佐藤だろうが、今の勢いなら小林が中心になってもいい。残念ながら別府は遠く、ライブ観戦はできないが、ネットか場外発売所に足を運び、小林の頭で勝負するつもりである。ウィナーズカップも気になるが、小林が出場するだけでガールズケイリンの方が面白く感じてしまう。果たして、結果はいかに__?

なお、前回のコラムの最後に、次のコラムでは競輪界の売り上げについて書くと記したが、売り上げについては機会を見て書くことにしたい。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

***************
【岩井範一の過去コラムはこちら】
全日本選抜競輪を終えて
村上義弘氏がコメンテーターに
全日本選抜競輪がまもなく開幕!
欠場に思うこと
表彰選手の発表を受けて
奥平充男の引退
グランプリを振り返って
グランプリまであとわずか
スーパールーキーとは
グランプリは東北勢が4名

ページの先頭へ

メニューを開く