TOP > コラム > 恋して競輪ハンター

コラム

一覧へ戻る

コラム

2023/04/07

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」130 Hunting

世の中には、たくさんの「気配(けはい)」があります。春の気配、人の気配など……。明確に、目に見えたり、五感で必ず体感できたりするものではありませんが、なんとなく感じるもの。今日は、そんな気配のお話を。

玉野競輪開設72周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」。今年も、玉野競輪場の本場で過ごす、にぎやかな4日間となりました。昨年に引き続き、旧コンビニ棟からの公開放送。初日は花冷えの雨ではありましたが、その後は最終日まで天気にも恵まれ、晴れの国・岡山の爽やかな春風の中、熱い戦いが行われました。

今年のチャリチャンは、チーム戦。競輪界の歴史の中に生きる「チーム大御所」VSまだ日の浅い「チームぺーぺー」での車券バトルです(多少のイレギュラーなチーム分けも、嫌な顔ひとつせず、受け入れてくださった皆様に感謝です)。
私は僭越(せんえつ)ながら、チーム大御所に所属し、戦っていたのですが、正直に言うと、3日目を終えたときには、すでに少し敗戦モードでした。4日間、毎日の軍資金が2万5千円というルールを、3日目にして、次の日の分まで前借りして使った挙句に、失って枯渇寸前。一方で、チームペーペーは高配当をコンスタントに的中させ、プラス間近という成績でした。

勝てる気がしない__。

そのような思いで迎えた最終日。我がチームも、いい配当の的中が、ポツポツとありました。連日の動きの中から、調子の良し悪しを見極め、狙いに行くのは、さすがベテランの皆さんです。そうして、ギリギリの軍資金を増やしながら、迎えた第8レース。
人気は、地元の岡山勢に集まっている中、チームの市田佳寿浩さんが近畿勢に注目。特に番手の岡崎智哉選手にチャンスがあると読んでくれました。そこから、やっさん(※西谷康彦さん)も交えて相談していく中で、やっさんが「穴なら小畑(勝広)やな」とポツリ。やっさんは連日、小畑選手の名前を挙げていて、気になる存在のようでした。
ここで、勝負の気配を感じました。
と言いますか、話してる中で、お二人が同時に穴目を見つけて、ニヤッと笑うんです。それがまた、いい笑顔だったんです。
まだ決勝戦まで幾レースもある中で、残金は5万弱。それでも、気配を感じて、「勝負かもしれない」「行くしかない!」と、穴目で抜けることのないよう、52通り8100円を投入。
その結果は、何と! 小畑選手が1着、2着に岡崎選手、3着に隅田洋介選手が入り、8-7-5の3連単は9万630円の高配当! 大捲りを決めて、4日間トータルもプラスへと変わりました。

玉野記念最終日8R

その後も的中を重ね、最終レースでは、帯100万円の払い戻しを目指そう!という話にまで発展。数時間前までは、白旗の準備をしていたのに、まさか1日で、このような展開になるとは、誰が予想したでしょうか。ギャンブルの見せる夢に、興奮と少しの恐ろしさを感じながらの決勝戦勝負となりました。

迎えた決勝戦でしたが、結果は外れ。現実に引き戻されましたが、悔いのない勝負と白熱のレースに、清々しい充足感を持って、競輪場を後にすることとなりました。

以前も「流れ」の話をコラムでも書きましたが、不思議と勝負事には目に見えない何かがあるように感じます。今回、感じた勝負の気配以外にも、穴の気配、選手の好気配などなど、様々な「気配」、見えない「気配」を感じ読み、時に踊らされながら、新年度も競輪を楽しみましょう♪

***************
【恋して競輪ハンター・過去コラム】
129Hunting「平塚の春よ来い!」
128Hunting「新人でなくなる前に」
127Hunting「10年目の奈良記念」
126Hunting「脱タテ目!」
125Hunting「最恐の走りに震えた和歌山記念」
124Hunting「泣けるオッズ」
123Hunting「清水裕友が好きだ!」
122Hunting「ヤケクソかヒラメキか」
121Hunting「記憶にとらわれ過ぎない競輪予想を」
120Hunting「新人選手を追いかける楽しみ」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

ページの先頭へ

メニューを開く