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2023/05/01

岩井範一

平塚ダービーの勢力図

平塚ダービーの勢力図

4月25日に終わった武雄記念(G3)は、脇本雄太が完全優勝を成し遂げた。前回の高知記念(G3)は準決勝で大敗を喫した。持病の腰痛が悪化したらしいが、7着という結果は、脇本の力からして考えられなかった。その不安を抱えての武雄だったが、初日から、その不安を払拭する走りを見せていた。後方に置かれても、どっしり構え、キッチリとゴールは先頭で通過する。腰痛はいつなるか分からないが、武雄記念を見る限り、心配はなさそうだ。
決勝は伊藤旭-山田庸平に四国勢も続いて、2段駆けの態勢。ただ、山田も出るのが遅すぎたか。後ろの新山響平、佐藤慎太郎に先に捲られてしまった。判断が遅れた結果、山田は5着。一方の新山は、デキの良さが光った。佐藤が必死に抜きにいくが、準決勝、決勝と抜けていない。それだけスピードが良かったということだろう。次のダービーで2個目のG1タイトル獲得もあり得るだろう。

脇本の強さが際立ったが、準決11レースで平原康多、松浦悠士、吉田拓矢ら5人が落車した。ダメージは残るだけに、ダービーは苦しい戦いになりそうだ。筆者が競輪を始めたころは、ダービーを直前に控えると、有力どころはほとんどが、直前のレースを欠場していた記憶がある。もちろん、斡旋(あっせん)された以上、走るのは当然なのだが、そうは言っても、ビッグレースの前に落車でもしたら元も子もない。それが最近は、直前のレースでも走る選手が多くなった気がする。今回を例にとれば、ダービーの前検日は5月1日であり、そこまで6日間ある。微妙な日数でではあるが、走ることによって、ダービーへ向けての最終調整の意味合いもあるのだろう。しかし、アクシデントはつきものだ。平原はダービーを欠場。他の選手もどこまで立て直してくるか気になるが、本調子では望めないのではないか。

そのダービーは、平塚競輪場で開催される。昨年末のKEIRINグランプリ2022が開催された競輪場だ。入場者数も多く、選手にとっては、やりがいを感じる競輪場である。地元の郡司浩平もある程度の人気になるだろうが、やはり脇本雄太、古性優作の近畿勢が中心になろう。武雄のレースぶりをみれば、古性が差せるかどうかになってくる。平塚は高速バンクと言われるように、脇本にはピッタリの競輪場だろう。両者のワンツーが決まったグランプリの再現が最有力だと思う。

高知記念勝者新田祐大

脇本に対抗するのはやはり、新田祐大だろう。2場所前の高知記念は優勝。前回の小田原記念は、優勝した郡司を追い詰めての2着と、調子は上向きと見ていい。新山響平と連携できる強みもある。後ろを固める佐藤慎太郎や守澤がいるのも心強く、近畿勢VS東北勢の争いになろう。これは今回だけでなく、しばらくはこの構図が続くはずだ。
選手にとって、一番欲しいタイトルはダービーと聞いている。仕事の都合で現地で観戦はできないが、ネット投票か、少しでも臨場感を味わいたくサテライトに足を運び、勝負するつもりである。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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