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2023/05/18

森泉宏一

『森泉宏一の実況天国』Vol.94

『森泉宏一の実況天国』Vol.94

先日の5月8日は、筆者の誕生日でした。
毎年この日は、公営競技で、『5-8車券』を購入するイベントを、個人的恒例行事としています。
しかしなんと! 今年の5月8日は、まずオートレースが2場開催ともに7車立て。
ならば競輪だ!と思い、出走表を眺めていたら、こちらは8場も開催がありながら、全てが7車以下による開催(苦笑)。
早々に恒例行事を諦める2023年となりました。
来年はぜひ!

さて新年度に入り、オートレース界では、大きく分けてふたつの新たな動きがありました。

まずは、飯塚オート。ミッドナイトレースに加えて、今年4月からナイターレースでも消音マフラーが導入されました。
オートレース界で、最初にミッドナイトオートレースを開催した飯塚オート。
※消音マフラーを最初に導入したのは川口(2015年9月)
ミッドナイト=消音マフラーということで、馴染みがないこともないですが、ナイターレースでも導入されることは驚きをもって報じられました。
川口オートでもスタンド改修工事の関係から、昨年12月の新走路後、今後は数年にわたって消音マフラーでの開催が続くこともあり、数年前に比べると、消音マフラー率が増してきています。
今後はもしかすると、その割合がさらに増す可能性もあるかと感じます。

さて、消音マフラーでの開催時、車券を購入する我々は、何を基準に予想すべきでしょうか。
通常マフラーと同じように、選手の技量、エンジン力、スタート力、展開はもちろんですが、それに加えて「消音マフラーと相性のいい選手」を予想の際に思い浮かべる方も多いと思います。
例えば「しょっちゅうミッドナイトで優出している印象がある」
といった選手。
実際に調べてみると、優出回数も多く、さらに平均着順も良い傾向にありました。
逆に「消音は苦手」という選手は分かりやすく、成績が出ていない傾向にあります(それだけに高配当のチャンスでもあり、狙うときもありますが)。
ひとつ厄介なのは、消音マフラーは自前のものではなく、毎開催、抽選による支給制ということ。
すなわち、たとえ前回良かったマフラーだったとしても、抽選で次は違うマフラーを付けることになるということです。

以前、飯塚オートのミッドナイト開催時には、選手がその節で装着したマフラーの通算成績・近況が、一覧になったものが公開されていました。個人的に、この一覧表を眺めることを好んでいたのですが、この表によると、選手によっては全く実績のないマフラーを装着することもあるということです。まれに、ビックリするくらい実績が皆無なマフラーもありました。
そして、消音マフラーのスタートですが、選手によっては「消音の方がスタートが切れる」「消音は全く切れない」などあり、このあたりはコメントも注視したいところです。

オートレース界の2点目の動きは、伊勢崎オートの新走路リニューアルオープンです。
約3カ月の改修期間を経て、今月1日からレースが再開されました。
これまで表面を削っての舗装はあったものの、地面を深く掘り起こした全面改修は、実に26年ぶりとのこと。
新走路最初の開催は、無観客のアフター5レース。そして、休みなく通常のナイター開催と2節6日間のロングラン。
アフター5では、高橋義徳(伊勢崎28期)選手が今年2度目、通算5回目の優勝。
そして、ナイター開催では高橋貢(伊勢崎22期)選手が、オートレース界歴代最多優勝を更新する通算214回目の優勝を飾りました。高橋貢選手は川口の新走路開幕後も、早い段階で走路に対応した動きを発揮。そして今回の優勝と、その抜群の対応力は脱帽ものであります。
選手コメントでは、新走路は乗りやすい、もっと滑るかと思ったけど思ったより乗りやすい、など歓迎の様子。
逆に、コースを少し外すと上手く回れない、または違和感があるな、外のコースだとタイヤがかからないなど、選手によって様々。
※外のコースもエンジンとタイヤがマッチすれば、上手く走れているのでは、というコメントも。
そして雨については、とにかく滑って、(走路に)慣れてないのもあるけど、今までとは明らかに違うかなと(某選手コメント)。
さらに、新走路特有のヌルヌル感があるといったコメントも見受けられました。
ちなみに、伊勢崎は新走路開幕に合わせるように、大時計も一新されています。
スタート力のある某選手のコメントでは、
「今までなら入っているタイミングだったが、フライングになってしまった」
「3日間ともタイミングが全く掴めない」
とのこと。
これは新走路対応だけでなく、時計への対応、スタートの優劣もチェックしなければなりません。
思い起こせば、川口の新走路開幕。開幕序盤は波乱が多く、3連単で6ケタという高配当も目立っていました。
先日の伊勢崎2開催6日間を見ている限りでは、まだ川口ほど波乱はなく、実力者、近況好調の選手が、しっかり結果を出していた印象です。

消音マフラー開催増加に、新走路。
戦う選手のみならず、レースを見る我々も、対応していかないといけないことが増えてきました。

個人的には、飯塚消音マフラー成績一覧表が、現在はホームページから無くなってしまっているので、復活を望んでいるのですが、果たして……。

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