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2017/12/15

Sakura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

『恋して競輪ハンター』木三原さくら=3 Hunting

早いもので2017年も残すところあとわずか。先日、今年初の「よいお年を!」という挨拶をしました。この挨拶をすると、いよいよ年の瀬だなぁと感じるものですが、今年は平塚競輪場で30日に競輪グランプリの放送があります!チャリチャンとして初めての公式放送でということで、私の年末気分はそれを終えない限りは始まらないような気がしています。

その平塚競輪場ではグランプリ前、最後のF2開催が11月30日〜12月2日に行われました。ガールズケイリンもあり、私の故郷を登録地とする宮地寧々選手(岐阜110期)も出場するので戦前から楽しみにしていたのです。
宮地選手を初めて観たのも平塚競輪場。デビューして間もない2016年7月、同郷の新人選手だけに気になる存在でした。その時の宮地選手は3日間、積極的にレースを動かす自力選手の後ろの位置を取って追い込む競走でした。どんな選手でもガールズケイリンの競走の中で、自分の欲しい位置を取るというのは容易ではありません。先行する選手の後ろは誰もが狙う場所です。そんな中、新人選手が位置を取るという“巧い競走”をして3着以内になり、決勝に乗るとは!と、衝撃を受けたことを今でも覚えています。そして、宮地選手は追い込み選手になるんだろうなと、当時の私は思っていました。
ところが、1年経って再び平塚のバンクを走る宮地選手は誰よりも積極的な自力選手となっていました。バック回数こそついていませんが、3日間の中では同じく積極的な先行タイプである吉村早耶香選手と先行を争うような競走もあり、1年前とは大きく変わった宮地選手の競走スタイルに胸がドキドキ高鳴ったものです。
さらに言えば、その少し前となる11月3日〜5日に松戸競輪場で行われたガールズケイリンがメイン(6R制ガールズケイリン)の開催では、3日間のうち2日、宮地選手は最終バックを先頭で通過していました。他の選手が欲しがる先行選手の後ろの位置というのは、今では宮地選手の後ろになりつつあるのではないでしょうか。

ガールズケイリンは男子選手のレースよりも一層、選手個人の脚力の差が結果に表れるように思います。『競輪』と違い、ラインがないために自分でレースを動かしたら真後ろには敵。自らは風の抵抗を受け体力を消耗し、真後ろの選手は自分を風よけにして虎視眈々(こしたんたん)と追い込むタイミングを待つ訳です。なんと恐ろしい状況!でも、先行選手は必ず先行選手として仕掛けます。もちろん、先行するまでにも細かな動きや組み立てはあるでしょうが、先行できるというのは日々の練習を信じ、自分の力も信じる強い気持ちがあるからこそだと思います。
現在、宮地選手はバック回数こそ多くありませんが、ホーム回数は10回を超えています。これから先、バック回数がホーム回数に並んでいくような先行選手になるのかなと、想像が膨らみます。

12月は競輪的には期末なので、予想していると競走得点の話題もでるようになってきました。どんなに辞めたくないと思っていても、負け続けて選手を続けることはできません。私もよく競輪は気持ちなんて言ったりしますが、その気持ちの裏には、つらい練習を重ねた日々があり、勝つために、強くなるために自問自答を続けた経験があるのではないでしょうか。レースから伝わる強い気持ちはもちろん、迷い、弱さを感じる瞬間も、私は人間らしくて好きです。

追伸
今回宮地選手の記事を書くにあたって、岐阜競輪の初心者ガイダンスの北村嘉之さん、いちのめぐみさんのお二人にご協力していただきました。岐阜競輪のイベントではなんと宮地選手のダンスも披露されるらしいです。力強い競走する宮地選手はどんなダンスを踊るのか?いつか私自身の目で確かめてみたいです。

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

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