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2019/12/10

Perfecta編集部

ツール・ド・とちぎ(第3ステージ)

ツール・ド・とちぎ(第3ステージ)

【2019年も全国各地で熱戦が開催されたロードレース。その大会の模様を回顧します】

第3回ツール・ド・とちぎの最終ステージは、那須烏山市のJR烏山駅からスタートする150kmのラインレース。第2ステージで順位を上げて首位に立ったオールイス・アルベルド・アウラール・サナブリア(マトリックスパワータグ)がグリーンジャージを着て出走したが、僅差に強豪選手がひしめく状況の中、最後の最後まで個人総合優勝が見えない目の離せない展開となった。

すべてが決まる最終ステージ。スタート会場となる烏山駅には、早朝にも関わらず、選手たちの姿を一目見ようと約7,000人もの観客が集まった。観客たちをもてなすため、会場には地元の店舗等のフードブースやキッチンカーが並ぶ。この日のレースがすべてを決める展開にもつれこんだため、緊張感が漂う朝ではあったが、会場はお祭りムード。出走サイン時に選手たちを紹介するステージには、地元の多くの観客たちが集まり、大きな拍手を送った。

スタート地点には多くの観衆が集まり、選手たちを送り出した

この日のレースは、さくら市、日光市、鹿沼市、栃木市、佐野市を経て足利市の総合運動公園にフィニッシュする。途中2回のポイント賞が設定され、1~3位通過の選手には、ポイントとともに3〜1秒のボーナスタイムが与えられる。トップ3名のタイム差は1秒。10秒以内に12名の選手が控える状況にあり、このボーナスタイムの存在は非常に大きい。いかに走るか、チーム間の駆け引きは頭脳戦となりそうだ。上位の選手はボーナスタイムの獲得も視野に入れつつ挽回を狙うが、先行集団の逃げ切りなど、タイム差が付くゴールとなった場合は、すべてが大きく覆される可能性も残している。

那須烏山市内を流れる那珂川を渡る集団

晴天に恵まれ、真冬の気温を予想した天気予報よりは気温は緩んだものの、強い風が吹きつけ、特にゴールの足利市内は朝からテントを畳まざるをえないほどの強風に。選手たちは風向きを読み、走り方を考えるという要素も必要となった。

序盤はアタックが続くが、大集団のまま1回目のスプリントポイントへ。鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、レイモンド・クレダー(チーム右京)、孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング)の順に通過。クレダーはここで獲得した2秒のボーナスタイムでリーダーのアウラールに3秒差まで詰め寄った。

激戦のスプリントポイントは鈴木が一位通過。クレダーも着実にボーナスタイムを手に入れる

40kmを過ぎた頃、6名の逃げ集団が形成された。個人総合で上位に位置する選手は含まれず、集団との差は1分半まで開く。

ようやく形成された6名の逃げ集団。タイム差は思うように広げられない

先行集団は山岳賞を越えても逃げ続けたが、2回目の山岳賞が近づくにつれ、次第にメイン集団がオリヴァーズ・リアルフード・レーシングの牽引でペースアップ。ラスト40kmを切り、先行した選手たちを飲み込んだ。

山岳賞のためにライオンズを牽引するオリヴァーズ・リアルフード・レーシング

山岳賞ジャージを着るアンガス・ライオンズ(オリヴァーズ・リアルフード・レーシング)が飛び出し、総合3位のベンジャミン・ダイボールがこれを追い、2回目の山岳賞はライオンズが先頭通過。大会の山岳賞首位を確実なものとした。

ダイボールはライオンズをかわし、単独で走行する。メイン集団からは10名の追走集団が形成された。この中にはグリーンジャージを着たアウラール、ボーナスタイムを積み重ねつつ逆転を狙うクレダー、地元の期待を背負う岡篤志(宇都宮ブリッツェン)らが入る。

最後のスプリントポイントはダイボールが先頭通過を果たしたが、すぐに追走が到達し、クレダー、アウラールの順に通過。3秒を獲得したダイボールがこの時点でバーチャルのグリーンジャージとなり、クレダーも2秒を獲得、差を詰める。

追走集団がダイボールを飲み込み、11名の集団に。このメンバーの中でタイム差が付かない集団でのゴールになった場合は、ゴールで与えられる着順のボーナスタイムが個人総合優勝を決めるため、このステージの勝者がそのまま個人総合優勝を勝ち取ることになる。

この集団からの飛び出しは生まれず、総合優勝はこのメンバーの中のスプリント勝負に託されることとなった。フィニッシュを待つ会場も緊張感に包まれる。

レイモンド・クレダー(チーム右京)が優勝
最終コーナーから他のライダーを寄せ付けず、クレダーがトップでフィニッシュに飛び込んだ

最終コーナーを先頭で抜けたのはクレダー。スプリントがかかる。アウラール、岡らがここに食らいつこうとするが、クレダーに届かない。クレダーはそのままガッツポーズでフィニッシュラインに飛び込み、大逆転を勝ち取った。

クレダーは優勝で10秒のボーナスタイムを得て、個人総合優勝をも獲得、ポイント賞も手中に収めることとなった。クレダーは優勝の喜びを語るとともに「(個人総合優勝のために)スプリントポイントを取ること、2回目の山岳を前で上り切ることを掲げ、チームもサポートしてくれた。今週試走をし、最後の200mのイメージもあったため、勝つことができた」とコメント。大声援で後押ししたファンたちにも感謝を述べ、また来年もここで会いたいと締めくくった。

4賞ジャージ。クレダーはポイント賞も逆転で獲得し、2つのジャージを手に入れた

アウラールは個人総合では逆転され、2位となってしまったが、チームはチーム総合優勝を獲得。チームとして、結果を残せたことの喜びを語った。

第3ステージ上位3名の表彰式。アウラールは個人総合を逃したが、清々しい笑顔だった

ステージも個人総合でも日本人最高位となった岡は、サポートをしてくれたチームメイトに感謝を述べるとともに「一歩届かなかった」結果に、悔しさをにじませた。

山岳賞を守り抜いたアンガス・ライオンズ

U23賞はライアン・シュルトが3日間守り抜いた

山岳賞はアンガス・ライオンズが、U23賞はライアン・シュルト(ともにオリヴァーズ・リアルフード・レーシング)が守り、それぞれ喜びを語った。

今大会唯一のラインレースとなった最終ステージ。フィニッシュ地点となった足利市総合運動公園には、1万5,000人が集まり、朝からステージイベントが企画され、多くの出展ブースが並び、パブリックビューイングで大いに盛り上がった。沿道に駆けつけた観衆はおよそ3万人。スタート会場から先回りでフィニッシュ会場まで移動したファンも多い。例年、会場での観客を楽しませるための配慮もあり『観に来て楽しい大会』というイメージが、ファンや地元の方々に根付いた結果とも言えよう。レースの模様が連日、実況解説付きでライブ配信されていたことも考えると、非常に多くの観客を惹きつけた大会だったということになる。

ゴールを待つ観客たちは大型ビジョンの前に集結し、実況解説を聴きながらレースの推移を見守る

最終ステージのゴールまで各賞ジャージが決まらない目の離せない展開となった第3回ツール・ド・とちぎ。サイクルロードレースの醍醐味をたっぷりと楽しませてくれる見応えのある大会となった。

 

 

◆ツール・ド・とちぎ 第3ステージ結果

1位 レイモンド・クレダー(チーム右京)3時間35分27秒

2位 オールイス・アルベルド・アウラール(マトリックスパワータグ)+0秒

3位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)

 

◆個人総合時間順位

1位 レイモンド・クレダー(チーム右京)6時間17分33秒

2位 オールイス・アルベルド・アウラール(マトリックスパワータグ)+2秒

3位 ベンジャミン・ダイボール(チーム・サプラ・サイクリング)+7秒

 

◆ポイント賞

1位 イモンド・クレダー(チーム右京)

 

◆山岳賞

1位 アンガス・ライオンズ(オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング)

 

◆チーム総合成績

1位 マトリックスパワータグ

 

【写真提供 第3回ツール・ド・とちぎ】

☆2020年3月20日(金・祝)~22日(日)までに開催される『第4回ツール・ド・とちぎ』の情報はこちらでご確認下さい。

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