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2020/03/15

P-Navi編集部

ドリームシーカーMTB・山本幸平選手の挑戦 VOL:2

ドリームシーカーMTB・山本幸平選手の挑戦 VOL:2

以前このサイトでも紹介したMTBのXC(クロスカントリー)を走る、山本幸平(Dream Seeker MTB Racing Team)。※前回の記事はこちら
過去3度の五輪を経験した日本のトップ選手だが、今シーズンでの現役引退を表明している。昨年、全日本選手権を11回制した絶対王者・山本の最後のシーズンを追っていきたい。

今季初のレースは、2月4日にタイ、チェンライで開催されたアジアマウンテンバイク選手権。同じく日本から出場した平野星矢(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)との一騎打ちとなったが、終盤からは山本が独走。そのまま単独でフィニッシュラインを越え、10回目のアジア王者に輝いた。

次はタイからギリシャへと移動し、2つのワンデーレースと2つのステージレースから構成されたUCIレース「Salamina Epic MTB Cup」に参戦する。第1レース(2月9日)、第2レース(11〜14日)、第3レース(17〜20日)、第4レース(23日)と、2週間あまりの間に連日レースが開催されるタフなものだ。
舞台となるのはアテネ中心部より1時間ほどの距離にあるギリシャ領の島、サラミナ島。島の中で10レースが開催されるとあって、五輪選考をかけた日本人選手も男女7名が参戦を決めている。

9日に開催されたワンデーレースは4.6kmのサーキットを7周回するコース設定。44名がエントリーした。山本はタイからの遠距離移動や時差、気温差などのギャップにも苦しみ、体調も失調していたということではあるが、先頭集団をキープし、9位でフィニッシュ。「最後の勝負どころでは、脚にパワーがないところも感じたが、タイでいい練習ができた成果も発揮することができた」と語る。続いては、中4日でステージレースがスタートするタフなスケジュールだが、2020シーズンをかなりいい形で始められているという手応えも感じるということで、表情も明るい。「(残りのレースで)うち1回は優勝を」と、野心ものぞかせた。

第2戦はXCT (クロスカントリータイムトライアル)、XCP(ポイントトゥポイント=スタートとゴールの異なるラインレース)、XCC(ショートサーキット=2km以下の短いサーキットでのレース)、XCM(クロスカントリーマラソン=長距離を走るレース)など、多様なレース形式を織り交ぜ、総合的な力を競い合うステージレースとして開催。山本は先頭集団には食いつけなかったものの、第2集団の先頭をキープ、最終的に総合8位でレースを終えている。

第3戦も同様にXCT、XCC、XCM 、XCPで構成されるステージレース。山本はここも総合9位で終えている。「タフな4日間だった」と述べつつも「疲れが出てきているが、しっかりと集中して走ることができた」と笑顔でレースを振り返る。残すはワンデーレース1つだ。

ギリシャでの最終戦となる第4戦はワンデーレース。第1戦と同じく、4.6kmのサーキットを7周する設定だ。ここは、山本は6位で終えている。「こんなに詰まった(日程で)レースをしたのは初めて」とすべてのレースを終え、感慨深げだ。アジア選手権後に体調を崩し、そのまま連戦となり、回復させることができないまま、10レースを走ることになってしまったという。「もう少しいい走りをしたかった」と悔しさをにじませた。「気持ちの面でもリカバリーし、次のレースに備えたい」と締め括った。

タイでの合宿から重要なレースが続き、タフなシーズンスタートとなったが、調子が万全でない中でも、連日ひと桁の順位でフィニッシュし、改めて日本での不動のトップである強さを証明することにもなった。

東京オリンピックに出場すれば、4度目の五輪となる。この現役最後のシーズンがどのようなものになるのか、見守っていきたい。

(※追記※ 東京オリンピック・パラリンピックは3月30日、1年後に開催延期が発表された。)

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