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2023/04/23

P-Navi編集部

JCL第2戦・カンセキ宇都宮清原クリテリウム

JCL第2戦・カンセキ宇都宮清原クリテリウム

ジャパンサイクルリーグ(JCL)のシリーズ戦として「カンセキ宇都宮清原クリテリウム」が3月26日、開催された。栃木2連戦という形で催されたレースの第2戦となる。

この日も前日に続き、ウェットコンディションでのレースとなった。冷たい雨が降り、気温も低く、ハイペースとなるクリテリウムを走るには、厳しい状況に。この会場を使うレースは、過去何度も開催されているが、今年は、完全ストレートな道路の両端に180度ターンが2つ設定されるシンプルな形となった。T字型だった昨年と比べると、距離も1周1.8kmに短縮。当然、コーナー数も半分以下となり、スピードに乗せやすくなっている。レースは、このコースを25周回する合計45kmに設定された。

カンセキ宇都宮清原クリテリウム
シンプルに、900mの直線を往復する形で設計された今年のコース

過去の開催では、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が圧倒的な適性を見せ、連覇していたが、昨年は沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)が優勝を決めている。それぞれのチームの体制も、コースも、顔ぶれも変わり、展開にどのような変化が生じてくるだろうか。
この日も、会場にはキッチンカーやブースが並び、雨天にもかかわらず、多くの観客が春の1日を楽しんでいた。

カンセキ宇都宮清原クリテリウム

カンセキ宇都宮清原クリテリウム
レース会場には特産品やぐるめを販売するブースが並んだ

前日のレースで優勝したカーター・ベトルス(ヴィクトワール広島)が、現時点での個人ランキング首位となる。今年から山岳賞やポイント賞、U23などのカテゴリーやリーダー(首位)の設定も、それぞれの首位選手が着用するリーダージャージの設定もないため、全選手が各自のチームジャージで参戦する。
最前列には、ホストチームとなる宇都宮ブリッツェンのメンバーと前日覇者のカーターを擁するヴィクトワール広島のメンバーが並び、スタートの号砲が鳴った。

カンセキ宇都宮清原クリテリウムのスタート
一斉にスタート

カンセキ宇都宮清原クリテリウムのスタート
コミッセールがリアルスタートのサインを出すと同時に、激しいレースが始まった

45kmと設定距離が短いこともあり、各チームはレース開始から積極的に仕掛け始めた。序盤から山本大喜(JCLチーム右京)や、前日優勝を決めたヴィクトワール広島勢が動くが、決定的な動きは生まれなかった。

カンセキ宇都宮清原クリテリウムで選手がアタック
代わる代わる選手たちが仕掛けていく

カンセキ宇都宮清原クリテリウムのヘアピンカーブ
コース両端のヘアピンカーブを慎重に回る選手

中盤以降も、抜け出しをかけて選手たちが仕掛け合い、レースは常に活性化したまま推移した。

カンセキ宇都宮清原クリテリウムの観衆
雨の中、声援を送るサポーターたち

カンセキ宇都宮清原クリテリウムの道中
集団を抜け出そうと動きが生まれるが、なかなか形にならない

後半に入って、ヴィクトワール広島やキナンレーシングチーム、VC福岡らが、それぞれ複数名を乗せた逃げが生まれた。しかし、小野寺玲のスプリント勝負を狙う地元宇都宮ブリッツェンが、集団を強固にコントロールし、危険な動きをつぶしにかかる。結局、抜け出しを図ることはできないまま、終盤を迎えることになった。

宇都宮ブリッツェン
スプリント勝負に持ち込みたい宇都宮ブリッツェンが集団をコントロール、危険な動きをつぶしていく

カンセキ宇都宮清原クリテリウム
有力選手を乗せた逃げが生まれるが、やはりメイン集団との差を開くことはできなかった

大集団のまま、レースは終盤に突入。スプリント勝負への対応に切り替えた各チームは、激しい位置取り合戦を展開する。このまま、レースは最終周回へ。

カンセキ宇都宮清原クリテリウム
スプリンターに好位置を確保すべく、アシストたちが奮闘する。雨は一向に止まず、強く降りつけるばかり

最終コーナーを最初に立ち上がったのは、岡篤志(JCLチーム右京)。ロングスプリントを仕掛けるが、孫崎大樹(キナンレーシングチーム)らが岡をかわし、前方へ。勝利をかけて、小野寺らも追い上げにかかる。ここで最後にラインを見極めて渡邊諒馬(VC福岡)が一気に爆発的な加速をし、駆け上がると、他のスプリンターたちをねじ伏せる走りで、勝利をもぎ取った。

カンセキ宇都宮清原クリテリウムのスプリント勝負
最終コーナーからのスプリント勝負が始まった。観客たちは目を凝らして行方を見守る

カンセキ宇都宮清原クリテリウムを制した渡邊諒馬
絶妙なライン取りで抜けてきた渡邊諒馬(VC福岡)が優勝をもぎとった

2位には孫崎が、3位には中田拓也(ヴィクトワール広島)が入っている。
前日、3位に入っていた渡邊は連日の表彰台となった。この日は会心のスプリント勝利となり、念願の優勝に喜びを爆発させていた。「最高でした!」と喜びを語り、アシストしてくれたチームメイト、スタッフへの感謝を述べるとともに、「これからも勝てるように頑張ります」と締め括っている。まさに、これからの活躍が期待される若手の登場だ。

カンセキ宇都宮清原クリテリウムのシャンパンファイト
渡邊、孫崎大樹(キナンレーシングチーム)、中田拓也(ヴィクトワール広島)の上位3名のシャンパンファイト

JCLランキングは2戦で連続して表彰台に乗った渡邊が首位となり、2位には孫崎、3に中田と、このレースの表彰台通りの順番となった。
JCL2023シリーズは今後6月まで、リザルトに対してJCLが定めた基準でポイントを付与する、ツアー・オブ・ジャパン、古座川、ツール・ド・熊野、全日本選手権、らのUCI(世界自転車競技連合)認定レースと選手権の開催が続く。VC福岡はステージレースであるツアー・オブ・ジャパンに参加しないため、渡邊の首位は入れ替わる可能性が高い。
今年より、多くのレースがUCIレースとして登録される形になっており、5月からは国内でUCIレースが連続して開催されることになった。海外チームの招へいも、コロナ禍以前に戻り、より国際的で、ハイレベルなレースが展開されることになるだろう。

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【結果】
JCL2023 カンセキ宇都宮清原クリテリウム

1位/渡邊諒馬(VC福岡)1:03:32
2位/孫崎大樹(キナンレーシングチーム)
3位/中田拓也(ヴィクトワール広島)
4位/小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
5位/岡篤志(JCLチーム右京)

画像提供:ジャパンサイクルリーグ(JCL)

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【JCL2023シリーズ・レポート】
JCL2023開幕戦!カンセキ真岡芳賀ロードレース

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