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競輪

2017/06/25

Kimi Kitamura

グラドルからGIRL’S KEIRINへ/日野未来

グラドルからGIRL’S KEIRINへ/日野未来

大好きだからこそ一番になりたいっ!

師匠の佐藤は「面倒を見るって決まって、最初に駅で待ち合わせをしていた時にピンクのボディコンみたいな服装でね。そのまま車には乗せずに通り過ぎてしまいたいくらいの気持ちだった(笑)。そんな話しばかりで、日野との感動エピソードは出ないよ?」と、再び笑う。
“練習着モジモジ君事件”などの天然エピソードは尽きないようだが、日野の選手としての資質はどうなのだろうか?
「初めてのローラー練習でも怖がらずにスッと、乗れたのが印象的でしたね。普通の女の子じゃバランスが取れなかったり、怖がったりしますから。それとね、本人は否定しているけれども、あの負けず嫌いな性格!練習量としては多い方の奈良の男子練習にも食らい付いてくる根性があります。身長もあるし、努力次第では上位にも食い込んで行ける力はあると思いますよ」

東京から奈良に住まいを移し、師匠と二人三脚で朝6時半から夜8時まで12時間以上にも及ぶ自転車三昧の日々を過ごした。家に帰ってからは競輪学校筆記試験の勉強を眠い目をこすりながら励む日々、そんな日野を支えたのは彼女の“妄想力”だった。
「私は周りからも言われるんですけど、妄想力がすごく強くて。ガールズ選手になって競輪を走るって、妄想をひたすらしていました。苦しいという気持ちよりもユニフォームを着てレースを走りたいって気持ちの方が勝っていて。辛くなったらレースを観て、ひたすら自分が選手になった姿を妄想。頑張ればここで走れるんだって、気持ちで練習してきました」

2017年1月、努力が実を結んで競輪学校に一発合格。
5月の入学式を終え、日野はガールズケイリン選手への第一歩を踏み出した。
「全寮制なので集団生活は大事にしつつ、練習では周りに流されたり、焦ったりせずに自分らしくこなしていきたいですね。学校の成績も一番でいたい。そうなれるように頑張っていきます」

入学式直後に行われた能力を評価する試走会では200mFD 1位(12″62)、400mFD 2位(25″97)、1000mTT 2位(1’19″04)、3000mTT 3位(2’57″17)の好成績で、A評価を獲得。(A評価は21名のうち2名だけ)

「入学式直前に奈良競輪場が使えなくて、バンク練習ができませんでしたからね。こんなもんじゃない!と、本人は悔しがっているはず」
師匠の佐藤成人はニヤリとする。

「私、競輪に出会えて幸せです。大好きだからこそ一番になりたいっ!」
テレビからバンクへと戦いの場を移して、懸命にペダルを踏み込むその日野の瞳の奥に、燃えたぎるような“闘志”を感じた。

Text & Photo/Kimi Kitamura

【略歴】

日野未来(ひの・みらい)
1993年1月26日生まれ 大分県大分市出身

高校1年生の時に福岡を拠点とする
女性アイドルグループHRのオープニングメンバーに合格
同グループの初代キャプテンでもあった
芸名=中原未來(なかはら・みく)で芸能界デビュー
HR卒業後はグラビアアイドルやタレントとして活躍
2015年には「KEIRIN LIVE S級探偵団」(BS日テレ)
に出演していた

 

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