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競輪

2017/05/31

Joe Shimajiri

競輪ドキュメント第1回/石井貴子(千葉106期)

競輪ドキュメント第1回/石井貴子(千葉106期)

“淡々”と進化へのプロセス

デビューから間もない1年余の2015年9月20日、本拠である松戸競輪場でのガールズコレクションを制した。まだ競輪の世界の右も左も分からない、夢見心地の中で成し遂げた快挙。
「周りも喜んでいるし、私も嬉しいし。まぁ、いいかぁー!やったぁー!みたいな感じでした(苦笑)」
しかし、競輪は本当に大変だ、難しい___。
以後、石井貴子は走る度、レースを重ねるごとに辛酸を舐めさせられることになる。レースでバンクを疾走するのは2分チョットだけ。ただ、それだけが競輪じゃないことを痛感。その2分チョットの為に備えるべきことがある。競輪はスタートを切ってからゴールまでだけじゃない。そこまでに繋がること、そこから繋がって行く全てを競輪の神様はいつも見ている。しかし、競輪に限った話しではなく世の中は非情なものだ。歯をむき出しにして吐くような想いで備えていてもすぐ結果に直結しない、報われるとは限らないのだから。
「目標に向かってやんなきゃいけないことをやるのは当たり前。それでも、届かないことがあるかも知れないから“淡々”と。私は“淡々”と積み重ねていくだけなんです」
この“淡々”というのが石井というアスリートを表すキーワードなような気がしてならない。
“淡々”と進化へのプロセス 石井貴子(千葉106期)

食生活の見直しで体重5kg増

経験と反省、それが2016年シーズンだった。大きなレースではことごとく大失敗、運にも恵まれず。そういう報われない状況を打破する為の一つが肉体改造、体重増であった。元来、石井は体重が落ちやすいタイプ。
「私は練習すると消費してしまう、削れてしまう。体調もそれで崩すことが多かったんです」
前々から体重増は考えていたことだが、約1年前の2016年春辺りからジックリ本格的に食生活の見直しで体重を増やし始めることに取りかかった。
「食事量もですけれども、バランスも大切ですからね。1食ではどうにもならないので、1日トータルして3食のバランスを。何(栄養素)を摂れているか?摂れていないのか?それを自然に頭の中でパパパッと、理解して、足りなかったものは次の日にでも補うみたいな。あとは毎朝、決まった時間に体重計に乗るようになりました」
石井はたいしたことではないと謙遜するが、日々の地道な積み重ねはまさに《継続は力なり》で体重が徐々に増え始める。当初は身体を動かしにくいみたいな感覚こそあったものの2~3kg増えるだけで風邪を引きにくくなった。
「疲労度もゲソゲソ(痩せていた頃)だった頃よりも明らかに少ないです。まだ試行錯誤ですけれども、今がベストかなと。もう増やさないし、減らさない。重くなり過ぎると鈍くなっちゃいますからね(笑)」
松戸でのガールズコレクション優勝の2015年9月から5kg増えた体重は石井のメンタルとフィジカルの両面を支える大きな柱となった。

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