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競輪

2018/01/17

P-Navi編集部

LEVELの信念

LEVELの信念

[CADシステム導入]

CADシステム(コンピューターを活用しての設計)はウチが初めて。
精度と強度を求めるので、設計(精度)が大変だった、2年かかりましたね。
ただ、それをやったことで、松田は商売上手だなんて、諸先輩方から言われるようになってしまったんです。
当時は「コンピューターなんてものを使って、いかにもカッコイイものを作っているように宣伝、商売している」って(苦笑)。

そういう噂を払拭する為に、あの自転車(壁掛け)を作った。
ピスト自転車みたいな形でブレーキのワイヤーなんかを全て内蔵。
他の仕事を一切しないで、6人で3ヶ月かかった。
最後の1ヶ月は徹夜、大阪でのサイクルショー(自転車産業振興協会主催)に出す期限があったから。
組み上がったのは搬入日直前の夜中の12時。
それから車に載せて、持って行かなければならない。
みんな徹夜しているから、車の運転は死にに行くようなものだと(苦笑)。
で、交代で運転しながら、どうにか大阪まで自転車を持っていきました。

サイクルショー主催の自転車産業振興協会が保険を付けてやるから「いくらだ?」と、尋ねてきた。
ウチは6人、コンピューターのプロ、デザインのプロ、機械加工のプロ、ウチの社員2人と私。
誰1人欠けてもできなかった自転車です。
部品代(実際に50万円くらい)もあるし、6人の3ヶ月分の労働力がある。
負けても350万円くらいだって言ったら、他メーカーは普通のロードレーサーで相場が35〜40万円くらいだったから自転車産業振興協会が怒っちゃった(苦笑)。
それでも、日を追う毎にウチのブースは人だかりになった。
自転車産業振興協会も350万円はハッタリじゃないと、ようやく気付いてくれました(笑)。
設計図はあるけれども、今、あの自転車と同じものを作ることはできない。
(製作に携わった人間は私ともう1人しか生きていない)
だから、あの自転車はウチの宝ですね。

会社がピンチになったからオーダーメイドを始めた。
CADシステムを作ったはいいが、変な噂を立てられた。
そういうピンチがあった時に、階段を少しずつ登って行くことができたから、今のウチがあるのかも知れません。

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