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2020/03/30

P-Navi編集部

サイクリング屋久島(前編)

サイクリング屋久島(前編)

2月16日、屋久島で『サイクリング屋久島』が開催された。世界遺産エリアを含む屋久島を一周する約100kmのコースを走る人気のファンライドで、今大会は10回目となる記念大会となる。屋久島は「一年に366日雨が降る」とも言われるほど雨が多い環境にあるものの、このサイクリングは第1回をのぞき、天候に恵まれてきた。だが今年は、強烈な雨と風の中での開催に! まさに、参加者の記憶に残る『記念大会』になったのだった。

イベントは屋久島の外周を走る。厳しいのは西岸だ

16日の早朝、続々と参加者がスタート地点となる尾之間のすこやかふれあいセンターに集まってきた。大雨を警告してきた天気予報に反し、曇天。ここまでの数日も大雨の予報ながら、現実的には降らなかったこともあり、参加者の中には「今日もいけるんじゃないか」という、どことなく希望的な感覚が漂っていたように思う。大会には、ビギナーやファミリー向けに、50km、20kmコースも設定されており、これらのコースは、それぞれ永田、栗生から時間差でスタートし、すべてのコースの参加者が尾之間にゴールする形になる。
コースは、島の南東部にある尾之間を出発し、反時計回りに島の外周を一周する。難関は島の西部の『西部林道』。20kmほどアップダウンが続き、コース内で最もキツいエリアだが、世界遺産地域であり、苔むす屋久島らしい景観を楽しめ、ヤクザルやヤクシカなどの動物に出合える可能性も高い、大会のハイライトでもある。西部林道以外は、それほど多くの登坂はなく、美しい自然や海を楽しみながら島を一周できる。島では中学校などが行事として走ることもあるそうで、比較的ビギナーでも走りやすいロングライドコースだ。
6時50分、開会式が始まった。関係者の挨拶に続き、毎年ゲストしてこの大会を走ってきた安田大サーカスの団長安田さんが今年も登場。トライアスリートとしてトレーニングを積む経験を生かし、参加者のウォーミングアップを兼ね、自転車で使う筋肉や、乗車姿勢で凝りやすい部位をほぐすストレッチを指導した。参加者たちは神妙な顔で団長安田さんの指示に従い身体を動かし、これからのライドに向け、カラダをほぐし、温めた。

団長安田さんによるウォーミングアップとストレッチ。経験を活かし、自転車に乗ることに特化したメニューを指導

団長さんの指示を聞きながら、真剣にウォーミングアップをする参加者たち

この日の天気予報は、大雨と強風に加え、午後に向けて気温が低下することを予想していた。
ただし、昼ごろから風は北西の風に変わるため「西部林道を含むコース後半は追い風になる」という地元情報も! 『風速10mを超える追い風』が、実際に使えるものなのかわからないが、希望を抱ける情報であることは確かだ。

スタート前に全員で記念撮影。今年は約400名が参加した

数十名のグループごとにスタート。幅広い年齢層の参加者が集まった

全員で記念撮影をした後は、速やかにスタートラインへ移動。まだ空は明るく、気温も低くない。逆を言えば、今日の天気は今が最高ということか。号砲が鳴り、参加者たちのスタートが始まった。走りやすい気温で、路面状況も悪くない。しかも追い風! 「万が一、雨が降ったときのために」早めに走り切ろうという心理が働き、第1エイドまでは高速の集団が形成された。

家族で玄関に並び参加者に声援を送る近隣の方々

名産の柑橘『たんかん』を手に参加者を応援

手をあげ、声援に応える団長安田さん

街頭には、近隣の住人たちが並び、参加者に声援を送る。名産『たんかん』を配るひとたちまで登場。心のこもった歓待ぶりに面して、皆の表情も明るい。参加者たちは、あっという間に島の東岸の安房に開設された第1エイドに到着した。高速走行で、汗だくだ。

続々と雨の中参加者たちが集まってくる。空が暗くなってきた

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