サイクリング屋久島(後編)
滝を出ると、バンが停車していた。食べものを並べているようだ。またプライベートエイド?「食べていってー!」と、女性が一口大にスライスしたケーキを差し出す。戸惑いながら受け取ると、バナナの香りが口いっぱいに広がった。おいしい!「受け取れなかった人に!」と、女性は坂道を駆け上がり、停止した参加者の口にケーキを差し込んでいた。皆、思わず大笑い。どこまでも、温かい。
最後のエイドである栗生に到着。ここまで、シッカリとカレーのための胃は空けてきた!待ちわびたカレーは、ごく普通のカレーに見えたけれども、並ぶトッピングに度肝を抜かれた。かき揚げ、サバ、サバみそ!? 屋久島ではこれらを混ぜ込んで食べるのだそうだ。おそるおそる混ぜ、ほおばると、確かにサバとミソの持つ旨味がカレーの味に深みを与えて、何とも言えないおいしさに。衝撃だった。自宅で再現することも難しく、ここでしか味わえないカレー。このエイドのカレーを推す人が多かったのも、納得だ。
ここからゴールまではもう20kmを切っており、ほぼ平坦。完走は確実で、気持ちも軽くなる。再スタートするころには、雨もぐっと弱まっていたが、ほどなく止み、路面が乾いていることに気づく。あれだけの大雨の後、瞬時に路面が乾くことなどありえない。「南部は降らなかった」ということか!なんとなく悔しくなって「あんなに苦労したのに、なんだったんだ!」思わず声を上げる参加者も。
なんと、南岸は午前中で雨が上がったのだとか。大川の滝までは立ち入り禁止になるほどの大雨だったのに、この距離で、これほど天候が違うとは。島の天気って難しい。
南岸の海の景観を楽しみながら、バイクを走らせると、ずぶ濡れだったウェアが少しずつ乾いてくる。終わり良ければすべてよし。尾之間のすこやかふれあいセンターにゴールするころには、ウェアも、気持ちも軽くなっていた。
ゴール会場では、記念の完走盾を受け取り、温かい飲み物がふるまわれた。ここから自転車を箱詰めし発送できるようになっており、島外からの参加者の多くは、ここで荷造りを終えることができる。
Recommend
New Article|自転車ライフ
2024/03/15
2024/03/14
2023/10/28
2023/09/22
2023/09/21
Recommend
NEW
2024/04/19
NEW
2024/04/19
NEW
2024/04/18
NEW
2024/04/17
NEW
2024/04/12