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2020/09/14

P-Navi編集部

アスリートに学べ! マスクオン、残暑の熱中症対策

アスリートに学べ! マスクオン、残暑の熱中症対策

●熱中症にならないために

それでは、熱中症予防にはどのようなことができるだろうか。これまでも様々な種目のトップ選手の栄養指導を担当し、現在はオリックスバファローズの専任管理栄養士を務める河南こころさんにお話を伺った。

「対策としては『体内の水分が不足しないようにする』、『体温を上げない』がポイントになるかと思います」

人間の身体は体内で熱が発生すると、血液に熱を移し、温度が上がった血液が皮膚近くの毛細血管に広がっていく。その熱を体外に放出したり、発汗を蒸発させる気化熱を使ったりして身体を冷やそうとする。水分が不足すると、身体は熱を排出できなくなってしまう。発汗そのものでも体内の水分は失われていくが、水分が不足すると、筋肉や脳、臓器に血液が行き渡らなくなり、足つりなどの症状や高まった熱そのものが悪影響をもたらすことがある。酷くなると、意識障害や肝臓、腎臓の機能障害まで出てきてしまうこともあるのだ。

熱中症の予防には水分補給が鍵になる。

具体的にはどのようなことに気を付けて行動したら良いのだろうか。

「こまめに水分補給をすることですね」

やはり、最も基本的、かつ効果的な対策は水分補給になるようだが、この「こまめに行う」とい点も意味があるようだ。人間は軽い脱水症状の時には喉の渇きを感じないという。熱中症の危険のある状況の時は喉が乾く前から少しずつ飲み始めておくことが大切だ。

 

●効果的な水分補給方法

どんなものを、どんなタイミングで飲んだら良いのだろうか。体液は水分とミネラル成分(電解質、塩分などと表現される)でできているが、発汗の多い時にもミネラル分を補填せず、水分だけを摂取し続けると、発汗で失われたミネラル分が体内に不足し、血液が薄まってしまう。酷い時には血中のナトリウム濃度が生命の維持にも危険なレベルに低下することもあり、注意が必要だ。ミネラル(電解質)や少々の糖類が含まれていた方が吸収も速やかであることもあり、水分補給にはこれらの成分を含んだスポーツドリンクや経口補水液が使用されることが多い。

 水やお茶よりもミネラルが入ったスポーツドリンクを選びたい。

「昔はスポーツドリンクの中でもハイポトニック(体液より薄いドリンク)が良いと言われていましたが、現在はアイソトニック(体液と同じ濃さのドリンク)が推奨されていますので、薄めずにそのまま飲むことをオススメしています」と、こころさん。スポーツドリンクにも様々な種類があり、溶かされた成分の量によって浸透圧が異なり、吸収速度が異なってくる。「アイソトニック」は少し甘さが強くなるため、甘すぎて胃に不快感が出る、口の中がベタベタするのが嫌い、というのであれば薄めても良いとのことだった。

「こまめな水分補給」を運動後の習慣にしたい。

運動をする場合はどうしたら良いのだろうか。

「運動をスタートする30分前までには水分を摂り、運動中は15分ごとを目安に水分を補給しましょう」

さきほど「こまめに」という表現が出てきたが、運動中はかなり頻繁に水分補給することが必要になる。持久系競技、長い時間運動する場合には体格や気温、運動強度にもよるが、1時間あたりの500~1000mlを目安に、水分を補給することが勧められるそうだ。喉が乾いてからではもう体内の脱水が進んでしまうので「早目に飲み始める」ことも大切なポイントだという。

ドリンクの温度にも目安はあるのだろうか。

「『5~15℃に冷やすと飲みやすい』と、されていますが、冷たいものを飲んでお腹が痛くなる場合は問題ない温度に調整してください」

ある程度は飲みやすいと、感じる好みで選んで良いようだ。

水分補給に加え、首を冷たく冷やしたタオルなどで冷やすことも効果的!

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