TOP > 自転車ライフ > 北海道北見ミントライド(後編)

自転車ライフ

一覧へ戻る

自転車ライフ

2021/10/29

P-Navi編集部

北海道北見ミントライド(後編)

北海道北見ミントライド(後編)

かつて世界の70%ものミント(ハッカ)を生産していたという北海道北見市。このエリアのハッカにまつわるスポットをめぐる秋のサイクリングの様子(後編)をお伝えしよう。

※北海道北見ミントライド(前編)はこちら

ティータイムを経て、続いてはハッカ蒸留を見学できる「仁頃ハッカ公園」を目指す。広大に左右に広がる田園地帯の間を走るのは、最高に爽快だ。交通量も少なく、スポーツバイクに慣れていないビギナーでも、安心して走ることができる。


収穫を終えたハッカが干されている光景を眺めながら、仁頃ハッカ公園へ向かう

さわやかな汗をかいて「仁頃ハッカ公園」に到着。ここに隣接した「北見田園空間情報センター」の奥に、ハッカ蒸留小屋があるという。自転車を置いて、施設裏に回ると、これまで経験したことのないインパクトのある不思議な香りが漂っていた。ハッカに加え、香ばしいような、なんともいえない心ひかれる香りだ。小屋に近づくにつれ、この香りはどんどん強くなる。


未知の香りの出所を求め、「北見田園空間情報センター」裏へ


これが蒸留機だ!蒸気を上げて稼働する姿に興味津々

小屋の中には、木製の樽を連想させる装置が蒸気を上げて稼働していた。ここにも北見ハッカ通商の井家さんが来てくれていて、裏手から手招きしてくれた。「ここでハッカの蒸留をやっているんです」。これが本物の蒸留釜だ!

9月に向かいの畑で収穫したハッカを天日で乾かし、それを釜の中に入れ、1週間かけて蒸留するそうだ。我々の到着が遅れたため、見られなかったのだが、コンテナ数個分のミントを3人がかりで踏んで入れ、蒸留を行うとのこと。到着した時には、釜からハッカ油を含んだ水分が排出されているところだった。この液体を放置すると、比重の軽いオイルが上に溜まる。この上の部分を抽出するのだとか。この独特の香りは、熱を帯びた作業が放つもので、熱くなった釜の木製の枠などの香りも含まれるのかもしれない。ダイレクトに五感に訴えてくるハッカ蒸留の様子は、非常に印象深く、記憶に深く残る思い出になった。


ハッカ収穫時の風景。収穫したハッカを、天日に干していく。あたりにはなんとも言えないよい香りが漂っていた(仁頃にて9月撮影)


蒸留機に干したハッカを3人がかりで踏みながら入れていく(画像提供:北見ハッカ通商株式会社)


蒸留機から、ハッカの香りを放つ液体が勢いよく吹き出してくる

「蒸留したあとのハッカの葉や茎も栄養価が高く、飼料に人気があるんですよ」と井家さん。ミントを食べて育った牛のミルクはどんな味になるのだろうかと想像を膨らませる。


蒸留を終えたハッカを取り出す。蒸留機の中にはぎっしりとミントの葉と茎が詰まっていたのだ(画像提供:北見ハッカ通商)

何時間でも見ていられそうな光景だったが、我々にはこの先の行程が待っている。お礼を言って、ハッカ蒸留小屋を後にした。

123

ページの先頭へ

メニューを開く