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2023/01/02

P-Navi編集部

プレイバック!走ってみっぺ南会津

プレイバック!走ってみっぺ南会津

2022年を振り返ればば、戦争が始まったり、新型コロナウイルスが猛威をふるったり、円安や値上げの波もあったりと、なかなか厳しい年だった。
その中でも、自転車のイベントは、工夫を重ね、復活を遂げてきている。聞けば、どのイベントもビギナーの「初参加」が急増しているとのこと。自転車をホビーとして楽しむ層が、急激に拡大しているのだ。そんな事情を受け、イベントの姿勢も変わってきている。ここで、いくつか2022年のサイクルイベントを振り返ってみたい。

今回ご紹介するのは、9月19日に開催された「走ってみっぺ南会津2022」だ。新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた2020年には、他のイベントが軒並み中止を決める中で、独自のガイドラインを作り、参加者の協力を得て、開催に踏み切った。この時は、ひとりの感染者も出さず、コロナ禍でもサイクリングイベントなら開催できることを示す形になった。昨年は、一気に押し寄せる波に負け、苦渋の中止の決断を下したが、今年はアルコールも提供される「前夜祭」を含む、フルスペックで開催した。

「走ってみっぺ南会津」とは、茅葺屋根の伝統集落などもある田園風景が美しい南会津エリアを、30~100キロの3カテゴリーに分かれて走り、地域をグルメとともに楽しむ人気のサイクリングイベントだ。ネーミングにあるように、地域色が強く打ち出されており、地元の歓迎が感じられる、あたたかく、どこかユルい雰囲気もあいまって、リピーター率も極めて高い。地域のグルメや地酒などが惜しげもなく振る舞われる前夜祭の人気が高く、前夜からイベントに参加する層が大勢を占めるという珍しいイベントでもある。


会津高原たかつえスキー場「スペーシア」で開催された前夜祭

今年は、その前夜祭が開催されるというところで、いい意味で、「みっぺファン」の予想を裏切ってのフル開催となり、南会津には、前夜から期待に胸を膨らませた参加者が続々と集まってきた。


会津の名酒「花泉」が樽で提供される


風情ある枡(ます)でいただく地酒

前夜祭会場となったのは、会津高原たかつえスキー場のスキーセンター「スペーシア」。天井も高く、ゆったりとしたスペースに、余裕を持って座席が配置されており、参加者はリラックスしてパーティーを楽しむことができた。この日も、3年ぶりの前夜祭を祝うかのように、地元の食材を生かしたメニューがずらりと並んだ。この前夜祭がすごいのは、フライドポテトや唐揚げなどの、いわゆる「パーティーメニュー」ではなく、川魚や肉、新鮮な野菜など、地元の上質の食材を生かした原価率の高そうな郷土料理が並ぶ点だ。しかも、どれも味がよく、しっかり調理されていることを感じる品々ばかり。参加者は満面の笑顔で、南会津の歓待をありがたく、おいしくいただいたのだった。


心尽くしの郷土料理が並んだ


唐揚げは唐揚げでも「岩魚」。黒酢あんがマッチし、絶品だった

翌朝はいよいよライド本番だ。このイベントはゲストライダーが豪華で、栃木のサイクルロードレースチーム、宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼンの選手が多く参加するに加え、ブリッツェンの女性ユニット「ブリッツェンラヴァーズ」、ラジオDJなど多くのゲストが大会を盛り上げたり、安全走行のサポートをしたりするのも名物のひとつ。今年もMC、ゲストの数は20名を超えた。


スタート前の記念撮影。期待で胸がいっぱいだ!


まずは栃木2チームのゲストライダーがスタートラインに並ぶ

スタート地点になる「会津高原アストリアロッジ」に集まった参加者はグループを作り、100キロコースから順次スタートしていく。高原のスキー場から出発するため、まず町まで3キロのダウンヒルが待っている。グループスタートのほぼ全てにゲストライダーが入り、先頭を走り、集団のペースを作って安全に下れるよう誘導するのが定例になっている。


各グループの先頭は、ゲストライダーが務め、安全なペースで先導する

同時に、ここで忘れてはいけないのは、ライドの終盤は、この部分を登って来なければゴールできないということ。これがこのイベントの唯一のハードルだと言われていた。それが今年、満を辞して、最高の「方策」が取られたのだ。この「方策」については、追ってご紹介することにしよう。


舘岩川に沿って気持ちよく走る

数十人のグループを作った参加者は、冒頭の下りを終えると、舘岩川の流れとともに走る国道へ。国道と言っても、交通量はさほど多くなく、道幅も広いため、とても走りやすい。広がる蕎麦畑や遠方の山々を眺めながら、一行は気持ちよくバイクを走らせる。
エイドが多いこともこのイベントの特徴。ほどなく、ファーストエイドの「舘岩広域観光案内所」につき、クッキーやスポーツドリンクをいただいた。


ファーストエイドでクッキーをいただく。お土産用で非常に上質

※美しい景観の中を走る。そして、ついに名物のマトン丼!次ページ→

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