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編集長雑感

2020/03/10

Joe Shimajiri

J’s BREAK Vol.10

J’s BREAK Vol.10

発売締切5分前、要するに発走予定時刻8分前までにカメラマンはバンク内へ入らなくてはならない。
一服できる程度の発走前までの僅かな待機時間はカメラチェック以外、特にすることがないのが正直なところだ。
漠然かつグルリと、周囲を眺めるのはもう癖になっている。
「競輪場って、こない広かったかな?」
小学生時代、誰もいない校庭のド真ん中に立った時に近い感覚。
人がいないことで、自身が身を置く空間は大きなものに感じられるのは必然なのか。
審判員・救護員の足音、聞き慣れた場内アナウンスと共に、発走する選手たちが敢闘門から現れる。
発走機のロック音、呼吸を整える選手たちの無音に近い深呼吸なども本来は耳に届かないはずなのに__。

号砲一発、レースが始まればシャー、シャーというタイヤの音が周囲の静寂をより強調する。
徐々にタイヤの音はシャッ、シャッ、シャッ、シャッと、小気味良くスピード感を増していくのもハッキリ分かる。
そして、大きく響き渡り、耳に残る打鐘(ジャン)。
ゴールを目指す選手たちの咆哮(ほうこう)、ヘルメットや車体がぶつかり合う音はまるでハイレゾ音源のよう。
レース後には激しい選手たちの息遣い。
観衆の声援とかヤジによって、普段はあらゆる音がかき消されていることを改めて思い知らされる次第。
と、同時に、違和感と不安を覚える。
筆者自身、ミッドナイト開催時のバンク撮影も経験あるけれども。
明らかに現状は普段ではないことは確かであり、それが違和感に直結している。

「静かで練習みたい、レースに集中できる」
という選手の声は少数派。

「ヤジられて“ナニクソ!”って、いつも内心で反発しながら走っているから(笑)」
「A級時代にミッドナイトは経験していますけど、お陽様が昇っている時の無観客は変な感じ」
「発走機につく時、無人のスタンドが異様だった」
「開催があるだけありがたいことなんですけど、なんだろ!?“ギャンブルの駒”感は一層、自覚させられますね」
など、無観客開催を憂う声が圧倒的に多い。

新型コロナウイルスの影響で、競輪界は2月27日から3月11日まで無観客開催を発表、実施している運びだ。
そして、この拙文を綴っていると。
現状と世論を鑑みて、3月12日以降も「当面の間」という前提で。
事態の推移を踏まえながら引き続き、無観客開催の期限は先延ばしになることが決まった。
この結果、場内・場外発売、昔ながらの購入方法のご年配の方々に依存していたことはますます浮き彫りになるだろう。
弊社をはじめとした民間ポータルサイトは売り上げ減にこそなっていないけれども。
それらのご年配層を取り込めていなかった、あきらめていたツケで……、
ピンチはチャンスにならず、残念ながら現状では微増にしか過ぎない。
敢えて詳細な数字は記さないが、民間ポータルサイトの微増のみ、言うまでもなく、業界全体としては大幅な売上ダウン。
これがいつまで続くのか?そこの部分が不安へと、つながる訳だ。

現状は普段ではない……それは甘えなのかも知れない。
イレギュラーなことが短期間であっても当たり前になる。
業界全体として、そういう認識が欠けていたことは素直に受け止め、改善していく機会なのだ。
個人として何ができるかは……低能ゆえにサッパリ見当がつかないんやけれども(苦笑)。
無観客開催であっても、取材する機会には恵まれているので。
(当然、感染予防対策はシッカリと)
これまで同様、いや、これまで以上に競輪の魅力を伝えていくことのスピリッツを忘れない。
単純明快で申し訳ない限りだが、筆者の立ち位置からは「ベストを尽くす!」って、ことでしかアクションを起こせない。
1枚の写真であっても、このような雑文であっても。
既にそういうスタイルを貫いている報道関係者(今回の騒動の有無に関係なく)もいらっしゃるので、まずは援護射撃したいもの。
それで既存の競輪ファンはもちろん、競輪にご関心を抱いていただく方が少しでも増え、車券を買いたくなるように。
できれば、弊社=チャリ・ロトにてご購入していただけると、幸いなのですが(笑)。
全場の車券も買え、中長期的観点からキャッシュバックも大きな魅力ですから!

*BREAK*
破壊、割れる、折れる……などの他に、
小休止(休憩)、変わり目(分岐)、夜明けという意味も持つ。

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