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2023/05/10

P-Navi編集部

悲願の獅子頭ライド

悲願の獅子頭ライド

茨城県石岡市で「悲願」の「第1回獅子頭ライド」が3月18日、ついに開催された。


石岡のシンボル大獅子頭の前にて。茨城サイクリングナビゲーターの篠さん、もえさん

このイベントの初回は、2020年3月に企画され、そのルートの美しさとエイドの魅力から、期待値も高く、募集開始後ほどなくして満員御礼となった。だが、新型コロナウイルスの感染拡大が進み、開催は中止に追い込まれた。その後も、毎年企画はされたものの、冬季の感染拡大を受け、3年連続で中止に。今回の開催は、3年の年月を経て、ようやく実現することができたものであり、関係者にとっても、くじけずにエントリーし続けた参加者たちにとっても、まさに「悲願」の開催だった。


雨の中、会場に集まってきた参加者


e-ticketを提示し、出走手続きを行う

改めて紹介すると、石岡市は、茨城県の県南地域に属する市である。ナショナルサイクルルートに指定された「つくば霞ヶ浦りんりんロード」に隣接(霞ヶ浦の北方)し、筑波山を望む位置にあり、石岡駅には特急も停車することから、東京からのアクセスも良好。サイクリストにとっては、ベストポジションと言える土地だ。
市内には、美しい里山風景が広がり、グルメも豊富。タイムスリップしたかのようなレトロな看板建築が並ぶ商店街は、文化庁から有形文化財に指定されている。この石岡の魅力を発信しようと、サイクリングイベントが企画されたのが発端だった。
石岡は「まつり」でも知られており、各地区に獅子舞があり、まつりの際には多くの観客を集めている。この地域に根付いた獅子舞文化から「獅子頭ライド(ししがしライド)」と名付けられた。


会場にスタンバイした獅子舞たち

「獅子頭ライド」のコースは、2種類。ベースになるのは、改築された「石岡市役所」をスタートし、反時計回りに石岡市内を1周する「ショートコース」。健脚組に向けては、このコースの西側から、筑波山系の南側に位置する朝日峠を上るヒルクライムパートが加わる「ロングコース」が用意された。
何と言っても、獅子頭ライドの最大のウリは、エイドステーション。市場には出回らない完熟イチゴや豊かな郷土料理がふるまわれる。満を辞して開催するこのイベントには、SNSでも期待の声があふれていた。
だが、イベント当日、会場には無情にも冷たい雨が降りしきっていた。低温だけでなく、風も強く、天気予報を信じるなら、雨風が弱まる見通しもない。市長を始め、実行委員会は苦渋の選択を迫られ、ヒルクライム区間を中止し、全参加者にショートコースを走ってもらうという決定を下した。雨に濡れた路面は滑りやすく、ブレーキの効きも悪くなる。参加者の安全を思えば、止むを得ない決断だったと言えよう。

この「ショートコース」は、距離にして48.9km、獲得標高は509mと、それなりにタフなルートである。緩やかなアップダウンを繰り返し、ダイナミックに走れる「フルーツライン」が盛り込まれており、疾走感や達成感は十分大きいだろう。


お囃子の演奏も披露された


獅子舞も見送り準備完了!

第1回とあって、400名に限定された定員は、早々に満員になっていたが、出走を取り止めた方もおり、エントリー数より少ない方々が並びスタートを迎えた。雨と防寒の対策を万全にされた方が多く、雨の中でも、リラックスした様子の参加者が多かったようだ。スタートに合わせ、地元の獅子舞保存会がお囃子を演奏し、獅子舞がスタートを見送った。

北西に向かって走ると、次第に里山の風景が開けてくる。出番に向けてスタンバイする田畑が広がる春の景観を抜ける。第1エイドである「旧有明中学校」に到着だ。


雨の中、整列しマナーよく走る参加者


田園風景の中を爽快に走る


雨に煙る春景色もオツなもの。花粉症に苦しむ参加者の中では「めぐみの雨」だったという声も


やった!ファーストエイドに到着だ

※最初のエイドで、参加者を待っていたのは……!?
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